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シェリー酒「マンサニーリャ」は塩味を感じるものなのか、問題。

2021-09-06 17:04:51 | 酒の情報(酒エトセトラ)
                          

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昨日ちょっと触れた、シェリー酒の中で最もドライと言われる「マンサニーリャ」に塩味を感じたという件。


塩味の由来は?と気になりますが、そもそも自分の感じている塩味というのが本当なのかどうか、ちょっと気になるところ。


と、いうのも、ワインの世界では「ミネラルを感じる」という表現が例えばシャブリなどにあります。
それってナトリウムとかカリウムとかの味(と自分では思っている)なのですが、それも塩の風味に近いんです。

実際、あの「エノテカ」さんのサイトにあった、シャブリの説明はこう。




(略)。1938年には、「キンメリジャン土壌から生まれた白ワインのみをシャブリとする」とシャブリの原産地呼称が定められました。この土壌と冷涼な気候が、綺麗な酸と塩味さえ連想させる独特のミネラル感をワインにもたらすのです。(略)


こうした「ミネラル感」と「塩味」って同じなのか、違うのか。

ネットなどではマンサニーリャの説明に「塩を感じる」というのが散見されますが、「孫引き」も多いので、ここでは一次資料的なものを調べてみました。

まずは、上でも触れた「エノテカ」さん
(アルマセニスタ マンサニーリャ・パサダ・デ・サンルカールの説明)

こちらのマンサリーニャはドライな飲み口から潮の香りを感じる出来栄えで、IWSC(インターナショナル・ワイン&スピリッツコンペティション2014)にて金賞を獲得した評価の高い1本です。

「ドライな飲み口から潮の香りを感じる」というのはかなり微妙な表現ですね。


次いで、同じくインポーターさんの「スマイル」さん
(取り扱いマンサリーニャの説明)

516Lのアメリカンオークの樽を使用した「ソレラ・システム」で5〜6年熟成。繊細でキリッとした辛口。微かに感じられる塩の風味が特長。食前酒としてはもちろん、食中酒としても楽しめる。


こちはら「微かに感じられる塩の風味」と微かではあっても明示的に書かれています。


それでは、自社で説明を書いているっぽい小売りさんを見てみましょう。

自分もたまに銀座のお店を除く「信濃屋」さん
(バロン ミカエラ マンサニージャの説明)

(略)
その爽やかさを楽しむため適温帯はぜひ冷やしめで。
やわらかくバランスの良い味わいで塩味をわずかに感じる。海辺の町で熟成されたことによるソルティな風味もある。


ここでも「塩味」と書かれているほか、「ソルティな風味」というのもある(塩味と違う?)



また、通販サイトで結構手広くやられている「うきうきワインの玉手箱」さん
(バルデスピノ・マンサニーリャ“エン・ラマ”の説明)

エンラマとは“無ろ過”、“生”といった意味で、最低限の不純物のみを取り除くだけで出荷する、近年注目のシェリー!
(略)通常のマンサニージャでは味わうことのできないイーストや塩味をしっかりと感じる、毎年春に一度だけ生産される、まさに今だけ味わうことのできる、ヘレスの潮風を感じる究極マンサニージャ!



塩味が「しっかりと」感じるそうです。こりゃ本物ですね。



さらに、FELICITYさんというサイトでは、「テイスティングノート」として記されています。

(略)青リンゴやパイナップルのフルーティな香りと、香ばしいナッツ系の香り。
繊細でキリッとした辛口。フレッシュで軽快なニュアンスが特徴。
海風の影響で微かな塩味を感じる。
食前酒としてはもちろん、食中酒としても楽しめる。


「海風の影響」と原因(らしきもの)にも言及しています。



そう思って、「ワイン プレス ジャパン」さんというワインの情報サイトを見ると、

マンサニーリャは、フィノと同じ造り方なのですが、できる場所が異なります。マンサニーリャが造られるサンルーカル・デ・パラメダは、通常のシェリーが造られる場所より海寄りにあります。この立地の影響で、フィノよりマンサニーリャのほうが塩っぽさがありカモミール(スペイン語でマンサニーリャ)のような香りが備わるのです。ですから、ちょっと特別なフィノ、ということになります。


「フィノと同じ製法だが、海寄りという立地の影響で塩っぽさがある」と読めますね。



これらからすると、

・マンサニーリャには「塩味を感じる」

・その塩味は、海寄りの立地、もしくは海風に起因する。

と解釈されます。


そのメカニズムは?とますます気になる総本店でした。





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