きっと、いいことあるよね!

母(sake)と息子(keke)の日々の記録。
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「大笑い!精神医学」/内海聡さん著・めんどぅーささん(マンガ)

2021-09-05 | 読んだ本

「大笑い!精神医学」/内海聡さん著・めんどぅーささん(マンガ)

この所、暗い内容ばかりの本で、「今日は少し笑えそうな本を読んでみよう!”」と思い、大笑いできそうな精神医学の本を読むことにした。(しかもマンガ付)
それがタイトルの本である。

でも・・・中身はずっしり重かった。。。(-_-;)大笑いどころではなかった。

この本のテーマはただ一つ副タイトルにもある通り「精神医学を100%否定する」本である。つまり、精神科に騙されるな!と言う本であり、「通えば通うほど病気は重くなる」という内容の本である。
こちらの内海先生は精神医学の専門で、何年も病院で働いてごく普通に処方箋を出している仕事をしていたが、「やっぱりこれはおかしい!」「自分は真実を伝えたい!」と思って、その事実を伝えることにしたそうだ。

精神医学の病気は自然に治るものも多いのに、病院に行くと病名がついて薬が処方されてしまう。「治る」「治らない」も曖昧でダラダラ続いていくうちに、患者さん自身も自立ができず治療に依存する状態に陥るという意味合いで書かれてある。(10年20年入院している患者さんは入院患者全体の3割になるようだ。)内海先生はこれに疑問を呈しているのだ。

私自身も薬があまり好きではないので、基本的にこの本の内容に賛成なのだが、今悩んでいる当事者や親御さんに「この本を読めば」とはとても言えない。言葉が厳し過ぎる。本当にこの本のように、精神科に足を踏み入れると、薬がどんどん増えてしまうのだろうか?この本を見ると、そうなってしまうケースが多いように思ってしまうけれど、実際はどうなのだろうか。

この本の最後の章辺りに「発達障害」についても書かれている。こちらももちろん批判ばかり。(お子さんではなくて医学界に対する批判です。)「今や発達障害は一大産業になりました。次は『ひきこもり』です。」と書かれている。


「引きこもり」と言えば、数年前の我が家である。今年はあの8月を思い出せぬまま過ぎてしまった。
あの8月とは「生きているのがツラすぎる」とブログに書いた8月である。息子が何もせず部屋でこもっていることが、お先真っ暗でツラくてツラくて「生きているのがツラすぎる」とブログに書いたのだ。

その翌年、1年前のブログを読んで「あの生きているのがツラすぎるから1年が過ぎ」というブログを書き、3年後にまた「あの生きているのがツラすぎるから3年が過ぎ」というブログを書いた。毎年8月になる度に息子の現状を書いておこうと思ったが、今年はすっかり忘れていた。あれから7年の歳月が流れていた。

あの時は、何人かの方から「息子を病院に連れて行ったらどうだろう」というメッセージをいただいたが、そう言う気持ちにはなれなかった。私の中では精神科に行く状態とは、日常の生活が送れず明らかに通報されるような状態になることだと思っていたのだ。それ以外は「病気」ではない・・でも連れて行けばきっと病気にされてしまう、そうすれば息子は鬼の首を取ったようにその状況にぬくぬくするだろう・・・。

しかし逆にそう思ってしまったことで、「何故お前は仕事を探さんのだ!」とプレッシャーを与え続け、息子には悪いことをしてしまったと思う。それも一長一短である。

今、当時の私と同じように悩んでいるお母さんがいたら、「とりあえず6~7年、ゆっくりしていればどうでしょう」と言うと思う。当時の私だったら「6年も!!とんでもない。そんなに待てません!就職できなくなってしまいます。」と言い返すだろうか。

「いえいえ、30過ぎても働こうと思えば仕事はあります。派遣会社とかもあります。そこからでもやる気になれば大丈夫です。」
「そんなに長く休んでいたら、もう仕事なんてしなくなってしまいますよ!」
「そこから働き出している若者もいました。大丈夫です。でも例え働かないままでも、最悪あなたが今のようにずっと養ってあげればいいんです。」
「ふざけないでください!私だって定年があるし、そのうち死んじゃいますよ!」
「その時はその時で本人が考えます。最悪生きていけなかったとしても、たぶんお子さんは後悔しないと思います。責めないであげてください。」
      :
      :
一人二役になってしまった。。。(-_-;)

私はずっと「仕事もしないで家でゴロゴロしてるなんて人間ではない!!」と思っていたけれど、そう言う生き方もまた一つの生き方かな・・・と思うのだ。。。いじめ問題ではないが、イジメに近い環境で無理して我慢して続けて最終的に命を落としてしまうよりは、家に居てくれていいのだ・・・と今は思う。そのようになってしまったお子さんには本当に申し訳ないけれど、イジメで傷ついて更に命を落とすなんて悲しすぎる。

そしてそのぐらい腹を括ると、子供も変わってくる可能性も高い・・・ような気がする。「生きてくれればそれだけでいいんだよ」と思っていると、子供もだんだん力が湧いて来るのかもしれない。(確信はないけど)

あの時は蝶になる前のサナギの時期だったのだ。無理にゆすらず壊さず、そっとしておけば、やがてカラを破って立派な羽を持った蝶々になる。だからたぶん、そっとしておくのが正解。(これも確信はないけど)

もしもお子さんのことで悩んでいたり、通院することで悩みがあったら、この本を読むのも一つの参考になると思う。でもあまり勧められない。何しろ通院に反対する立場の先生が書く本である。現在通院されている親御さんに対してはかなり手厳しい表現が待っている。恐らくとても傷つくことになると思う。

それも覚悟の上で腹を括って、それでもその理由が知りたいと思う方ならばお勧めである。
精神医学の現状が書かれている。精神医学とは何なのか、何から生まれたのか、最初の治療法は?それを読むと、愕然とする。果たして今のままでいいのか、もう一度考えてしまう本になるだろう。