「裸の総理たち32人の正体」/渡部昇一さん著
昨日紹介したこの本だが、読んでみると面白くてもう半分以上読んでしまった。
その中で幾つかメモとして内容を綴ってみようと思う。
この話は戦後から始まり、当時マッカーサーさん率いるアメリカGHQがやってきた。GHQは日本を二度と戦争のできない国にしようと思い思想から解体することにした。(というのも何故ここまで戦争が続いたの?と思うほど日本は武器等も大したものがなく、そこにあるのはこの国を護らねば!という思想や理念の一致団結があったと判明する)
そしてGHQは当時政府や大学やマスコミとかの上部に居た人達を追い出して、政権と逆側の人(分かりやすく言うと左側陣営)の人をそういう要所に入れ、日本という国の理念や思想を崩すことにしたらしい。
だが間もなく朝鮮戦争というものが始まる。ここでマッカーサーはふと気がつく。アジアの向こう側はみんな社会主義に染まりつつあるのではないか。。。。(そうか!日本はこの小さな体で中国やソ連のような社会主義国家の波から必死に自衛に戦っていたのだな)←マッカーサーの気づき。
ここでアメリカ(マッカーサー)も「第二次世界大戦は日本が悪いわけではない。自衛のための戦争だった」とようやく認めることになる。そしてサンフランシスコ条約が結ばれる。ここでは日本が戦争に負けたことは認めるものの、戦争の善し悪しについては書かれていないそうである。このことから東京裁判の被告達の刑期も短縮することが世界で認められたそうである。当時の首相吉田茂さんは「日本を辱めることのない条約を結んだ!」と満足の様子だった。
渡部さんはこの本で「この時にアメリカから要請があったのだから、自衛隊ではなく軍を作ってしまえばよかった」と言っている。吉田茂首相は当時だから、70年後に中国や北朝鮮が日本を狙うなんて夢にも思っていなかったのかもしれない。
この後の佐藤栄作さん、田中角栄さん、太平さん辺りまでは中国に何を言われてもペコペコしなかった。サンフランシスコ条約で「日本は戦争には負けたけれど、戦争を始めたのには理由があるから」という認識になっていたからである。
だがこの後から外務省からだんだん中国にお伺いをしてペコペコ謝り始めるのがじわじわと浸透していくそうである。。。(田中さんのあと、三木さん、福田さん、太平さん辺りから、自民党内の派閥争いも始まる様子も書かれている)
ちなみに韓国だが、韓国は朝鮮戦争のあと、国が疲労してしまい世界の最貧国に入っていたそうだ。何としてでも発展させたいと考えた大統領(パククネさんの父)は、日本から援助をもらいたい、その時一言謝罪してくれないか?と佐藤栄作さんに相談しているが、佐藤さんは「資金は援助するが謝る必要はない!」と謝罪は断っているそうである。
今は、中曽根さんの章を読んでいる。
あのロンヤスの蜜月の中曽根さんであるから、さぞかし褒めておられるであろうと思ったら、大間違いである。
国鉄やNTTの民営化は褒めているものの、これは許せない!と怒っておられるのが、昭和60年11月8日の衆議院外務委員会なる場所で、土井たか子さんと外務省Oさんという人の答弁の中で「日本は東京裁判を受託して国際社会に復帰した」という文章が入ってしまった・・というのである。
渡部さんは怒り心頭である。
「日本は東京裁判の判決は受託したが、東京裁判自体は誤りだったとサンフランシスコ条約で世界中で認められているんだぞ!!」というのである。東京裁判は勝者によって勝手に裁かれたものだったと既にちゃんと認められていたのに、この答弁によって、全てがひっくり返ってしまった!というのである。
「これ以降わが国は国際社会に向かってペコペコすることになってしまいました。中国や韓国に頭を下げをえなくなり、まったくおかしな国になってしまいました。」(原文のまま)
「思い出してみてください。少なくとも佐藤首相までは、日本は全然中国や韓国にペコペコしませんでした。吉田首相がサンフランシスコで諸外国と講和条約を結んだ以上、完全に話はついているからです。その間の事情は民間の係争における「示談」と同じで、いったん示談(条約)が成立すれば前のことは蒸し返さないのが(国際)常識です。」(原文のまま)
だがこれ以降、これが政府見解になってしまったそうである。
渡部さん曰く、当時外務省Oさんとタッグを組んでいた自民党の要人Gさんが極めて中国と親しく、その人が中曽根政権の中枢で舵取りをしていたのだから、政府見解がどんどんそちらそちらへ逸れて行った・・・と悔しがり、中曽根首相には「大勲位」を返上してほしい!とまで書いている。(へぇ~そうだったのかぁ~)
今はここで読み止りだが、この先の竹下さん、宮沢さんについては昨日も書いたとおりで、頁を開くのもちょっと心配になってくる。時はバブル。私も20代の初々しい乙女だった。
まさかそれからたったの30年余りで、今のような周辺諸国の台頭になるとは想像できなかったのであろうが。。。
この渡部さん、どうしてここまではっきり書けるのかと言うと、英文科卒だからだそうだ。
政治や歴史の学者さんは、(最初に書いたGHQの意向から)教授がみんな左翼思想(左翼と言う言葉は申し訳ない気がして好きでないのですが)なので、教授の考えと違うことを書くと認められないので、学者の地位を得るためにはそういう論文にしなければならなかったそうなのだ。
自分は英文科だから、忖度する必要がないから書けるのだ、と言う。
この後続きを読むが、この本の話が本当なら、だんだんこうして日本という国は崩れていったのだなぁということがよく分かった。
そう言えばこの前、地元のフリーペーパー紙をめくったら、隅っこに「自衛官募集」の広告があった。それが食べ物やさんのクーポンや、美容院のクーポン券と一緒のフリーペーパー紙の片隅に広告として載っているのである。信じられず思わず二度見してしまった。
こんな所まで宣伝をしないと人も集まらないのかと言う気持、そして日本のことをどう考えているか分からない人も応募できるのかなぁという思い・・・だがしかし、命は大切、自分の息子は軍隊なんてもってのほか!という母親の考えだものなぁ(私も正直そう思ってしまう)・・・。
本当は国がなくなるってどういうことなのだろう。
いったいこの国はこれからどうなってしまうのだろう。もはやどうにもならない所にまで来ているのではないか・・・とまた例のごとく暗澹たる気持になるのである。。。