きっと、いいことあるよね!

母(sake)と息子(keke)の日々の記録。
お出かけ写真と料理など。

kekeの買い物

2008-02-26 | 息子keke
kekeに「もしかしたら会社変わるかも。通勤時間も掛かるし忙しくなるから帰りも遅くなるかも。」と言ったら、ふ~ん、と言った。

「kekeが買い物だけでも行ってくれたら助かるんだけどな」と言ったら、珍しく買い物に行ってくれた。
幾つかの材料とセブンイレブンのピーナッツチョコとあとお金が余ったら好きなものを買っていいよ、と言った。「エコバックを持っていくとポイントがつくんだけど。」と言ったら、本当に自分のカバンを持って行ってくれた。
【鳥のもも肉】は唐揚げ用に切ってあるのを買ってきた。

「どっちにするか迷った。」
「大きいのでよかったよ。これでもいいけどそっちのが安いから。」

帰ってきて、kekeが余ったお金で買ってきたものは「ペヤングのソースやきそば」だった。
「明日も行ってくれる?」と尋ねると、まんざらでもないような事を言っていた。

次の日、朝、買い物メモを作ったのだが、油固め粉や弁当用ソースとか、カレーの材料、ホーレンソウ、豚肉・・・こんなにいろいろ買えないか、と諦めて、メモをそのまま残したまま、会社に出かけた。

仕事を終えて家に帰ると、メモを見た形跡があったから、kekeに「買い物を今日も行ってくれるの?」と言うと、「うん」と言う。
今日はいろいろ書いたから2000円を渡した。

「あれ?ポイントカードを渡さなきゃ。」
「まだ昨日の持ってるよ。」

そして、kekeは出かけたが、今日のメモはマイナーなものが多かったのでかなり時間が掛かったようだ。油固め粉は無かったらしい。
そして、「やっぱりsakeが行った方が早いからもうやめる。」と言ってカードを返された。
 
もうちょっと易しい内容の買い物にすればよかった。
それでもこれからは、週に2回くらいはkekeに買出しをしてもらおうかと考える。

続・ヒミツのしゃぶしゃぶ

2008-02-25 | 前の会社
その日は例の「ヒミツのしゃぶしゃぶ」がひっそり行われる予定になっていた。場所はK女史の家。

たまたまその前日に社長宛てにフグの刺身と鍋セットが届いていて、社長は「オレは今日家に帰らないから、これはみんなで食べなさい。sake君は明日休み?昼休みだけでも来て、みんなで鍋でも作ったら?(笑)」と言った。
私とK女史は「こりゃしめしめ。。」と言う顔をした。もちろん、ヒミツのしゃぶしゃぶに使えると思ったから。他の材料はYさんが1万円の商品券をK女史に「好きなものを買ってくれ!」と渡していた。

そして当日、K女史がメンバー全員を乗せた車が6時に迎えに来る事になっていた。
しかし、10分前頃メールが入り、「社長がまだ会社に居て出れません!また出る頃会社から電話します。」と書いてあった。

そんなアクシデントもありながら、やがて社長が帰ると他のメンバーはみんな車に乗り込んだ。そして私を拾ってK女史の家に到着。
K女史は既に何枚かの紙に当日することをメモしてあり、「これを分担して30分でやりましょう」と言った。紙にはそれぞれ「サラダ→卵を切る、マヨネーズであえる」「しゃぶしゃぶ→白菜、ネギを切る」「漬物→それぞれ切る」などと書いてある。
それで私たちはさながらキャンプのようにそれらをこなし、やがてK女史のお父さんを交えてしゃぶしゃぶとフグセットを食べた。

K女史のお父さんも聡明な方で、事業を営んでいたとのこと。
始めて3年間は「1年の1/3は工場で寝泊りしていた」そうである。そして20年社長業を営まれ、バブルの崩壊のあと、景気を見ながら工場を閉じて今は隠居生活をしているとの話。

「いつもケンカばかりで、家出をした事もありました。」とK女史は言っていたが、私らを紹介するK女史を見ると、ずいぶん仲のよい親子ではないですか、と思うのだった。昔だったら私も父にこんな風に友達を紹介していたかもしれない。娘ってみんなこうなのかな。

私は一足先に帰る事にした。
バス停までK女史が送ってくれた。
バスに乗る寸前に、K女史はハイとバスカードを手渡してくれ、「月曜日に返してくれればいいですから。」と言った。

「え!◎◎!いいですよ」と言ったのだがバスはしまるので、私は預かった。

優しい人はたくさんいるけれど、彼女はそれを気を利かせて表現できる人だ。
とうとう最初から最後までこの人には敵わなかったなぁ。

これから旦那さんといつまでもお幸せに。

天使がピヨピヨ

2008-02-22 | 前の会社
今日の朝、事務所に行くとまたIさんが「sakeちゃん・・・」と意味ありげに呼びに来た。
どうしたんですか?と後をついていくと、昨日植えた苗が霜でやられていると言うのだ。

「お店の人も、霜でこの時期は難しいような事を言ってましたよね。(ーー;)」
「ダンボールでカバーするといいとか言ってたよね?」
「(屋根のポーズで)こんな感じ??あ!夜はビニールをかぶせておけばいいかも!」
「それなら、簡単にできるよ。^^」

そして、Iさんは午後になると「天使のナミダはこれだけだと寂しいから、もう少し買ってくる。あと花もないと映えないよね。」と出て行った。

それと入れ替わりにやってきたのが、Yさんだ。
私は「Iさんと作った花壇見ました?」と言った。

「会社がこんな瀕死の状態なのに誰かサンが作った花壇ですね。」
「いやぁ~私も手伝いながら、仕事はお留守でいいのかな?とは思いました。」
「いいわけないでしょ?あそこにお花が咲いていた所でお客さんは来ますか?」
「あれ、お花じゃなくてパセリなんです。あとミントと天使のナミダ。」
「天使のナミダぁ~?!」
「はい、ネーミングが可愛いので、Iさんと買ったんです。」
「天使のナミダですか。」と言いながら、Yさんはピヨピヨひよこのマネをした。

「私がこうして仕事を取ってきても、天使のナミダで(利益は)チャラ。。。。」
「あぁ・・うぅ。それを言われると困ります。でも上司の命令だったので、従ったまでです。」
「そうですか、sakeさんも同罪ですね、ピヨピヨ。」
「同罪と言うか・・業務命令です。」
「MTも呆れてますよ。ピヨピヨ。」
「うぅ。」


そして、私はYさんと請求書の打ち合わせをした。
帰る頃には他のメンバーも事務所に戻ってきた。

そして、私は帰ろうとすると、またIさんが「sakeちゃん・・・」と呼ぶので、一緒に玄関先に行った。
Iさんが指差す先には、ビニールで覆われた花壇があった。

「あ!これなら霜もおりないかも!」
「うん。それでさぁ、明日オレ一日中いないんだ。様子を見ながらあまりに蒸すようだったら、昼間はビニールをはずした方がいいのかな?って。」
「あぁ、分かりました。やっておきますね。^^」

と言いながら、他の社員のみなさんの冷たい視線を背中にあびつつ、私は帰路へ急ぐのだった。

Iさんと花壇を作る

2008-02-21 | 前の会社
Iさんが午後になって「sakeちゃん。。。」と呼びに来た。

この呼び方・・すげぇアヤシイ(ーー;)・・と思いながら「なんですか?」と尋ねると、こっちに来てくれと言う。

うちの会社は玄関の脇に小さな花壇みたいなスペースがあるのだが、そこを土でならして何か植えようとIさんは言うのだ。

「何がいいと思う?」
「そうですね、ハーブなんてどうでしょう?」
「おぉ!いいね。行きはsakeさんが乗っけてってよ。」

そして、二人で車に飛び乗り、ハーブを買いに行った。
が、この季節、まだ霜がおりやすく苗木も育ちにくいとのことだった。
店頭に並んでいる苗は、パセリ、ミント、イチゴもあった。

「パセリは寒さに強そうですね。」
「うん、これは買おう。」

Iさんはオリーブの木をかなりしつこく買いたがったが、オリーブは異種を一緒に植えないと実がならないそうである。店員さんに尋ねると、春になればもっと小さな苗が販売されるとのこと。(だから今回は買うのを辞めた。)

「これ、何だろう?」
「天使のナミダって、書いてありますね。ちょっとイイ感じ。」
「これ、よくない?買ってみよう。」

私とIさんは苗を買い続けた。そして、Iさんと苗と、花壇を仕切るブロックなんぞを両手に持って、車に戻った。
無邪気に花壇作りを喜ぶIさん。
私はとまどった。

K女史に「何の苗を買ってきたんですか?」と訊かれ、「パセリとか。。」と答えると、「パセリィ~?」と笑った。
う~ん・・会社の玄関の横にパセリ。。。

そう言われるとたしかにちょっと笑えるかも。

携帯のストラップ人形

2008-02-19 | 前の会社
今日の朝、彼からメールがきていた。

私はそれを読んで、たちまち元気になった。
そして、私のぐるぐる回っていた所が、あまりに小さくくだらないことだ、と思った。
今は詳しい内容は書けない。
でも、恋愛がらみでないことは書いておこう。

MTさんのカバンの中が偶然見えてしまった。

「あ!この携帯のストラップ知ってますよ!」
「何?」
「同じのを北澤が持ってました。浮気防止のおまじない人形だそうですよ。」
「くそ~(▼▼;)」
「どしたの?」
「これ、カミさんからのプレゼント。この前資格試験に合格したお祝いで。アイツ。。。」
「あら・・そうだったの。浮気の心配されるほど惚れてるってコトですよ。はは。^^;」

それはタイで作られている『ポクポン人形ストラップ』と言うものらしい。
ネットで「浮気防止 ストラップ」検索してみたら、北澤の持っているのと同じ赤い人形が出てきた。

あれ?これって人形によっておまじないが違うのかもしれない。。
まぁ、いいか。

浮気防止のストラップを持たされている北澤だが、この前飲みながら「俺は一生カミさんを大切にする!」と叫んでいた。
人間というものはこんなに180度変われるものなのだろうか。
それともタイからの人形効果なのだろうか。

そして本当に一生続くのか、はたまた数年後逆転するのか、私はこれからまたまた男心を研究レポートしていこうと思う。

春よこい

2008-02-18 | 母子家庭だから思うこと
金曜から料理作ってません。
元気のバロメーターですな。(+o+)

わたし大人気なかったかなぁ。。。。

離婚もそうだと思う。
ずっと何年も「もしもあの時ああすれば・・」なんて思いもしたけど
小さな一つ二つの出来事で、人生の大きな流れが変わってしまうくらいなら、
また違うどこかで収まっていたと思う。

縁ってそう言うものだと思った。
離婚の時もそう思って、それきりだったわけだけどさ。


テンプレ変えました。
少しでも気分が変わるように。。。

しばらく連絡してない友達にメールを送ってみよう。
もうすぐ春だから。

kekeのピーナッツチョコ

2008-02-15 | 息子keke
kekeがこの前コンビニで買ってきたピーナッツチョコ。
を、一つ食べるつもりがほとんど一袋食べてしまった。
  
kekeは「ポテチを食べるからいいよ」と言ったけど、また数日後同じピーナッツチョコを買ってきた時も、ついつい私の手が伸びて半袋食べてしまった。

「目の前にあるとまた全部食べて太りそう。見えないようにして。」
「じゃ、しまおう。」

翌日、残ったピーナッツチョコはkekeの腹におさまったようで、空箱だけが残されていた。
私はお詫びに違うスーパーでピーナッツチョコを買ってきた。そして、試しに一つ食べてみたら、これはそれ以上手が伸びなかった。

「keke、このピーナッツチョコだとこれ以上食べたいと思わないよ。どうしてだろう?」
「食べてみる。」
「どう?」
「これはなかなか口の中で溶けない。」
「どれどれ・・・なるほど!kekeの言うとおりだ。そうか!やっぱりあのピーナッツチョコにはからくりがあったんだ!チョコがすぐに溶けて口の中にピーナッツばかりが残り、あとを引く味だったんだ!」

真偽はいかんとして一応、問題解決の糸口はつかめた。

「ところで、keke、今年のバレンタインデーはどうする?たまには有名店のチョコでも買ってこようかね?」
「あのコンビニのピーナッツチョコがいい。」
「あの105円のかい?」
「うん。」
「そんなんでいいの?おいしいからいいか。じゃ買って来よ。」

そして、私は3袋買って帰ってきた。

今日の朝は、私がどうしても一つ食べたくて、出勤前に一つつまんだ。
kekeは帰ってきてから残りをつまんだようだ。
夕食を終えて、お風呂から出てきて、PCでもしながら食べようかと思ったら、その袋の中に一つだけピーナッツチョコが残っていた。

ちょこっと【愛】を感じた。

はじめての業務指令

2008-02-13 | 前の会社
今日は【初めてのおつかい】。
社長に書類を頼まれて車で取りに行く。

「国道があるの知ってる?」
「ハイ。」
「それをずっと行って、○○高校がある先に山があるからそれを一山越えて、降りたスタンドを左に曲がると、あとはナビの進む通りに行けばいい。」
「ハイ。」
「途中で間違えても、またナビはそこから教えてくれるから。」
「ハイ。」
「sakeクンだと片道1時間くらい掛かるかな?オレはここで待っているから早く帰ってくるように。」
「ハイ。」
「それで駐車場が面倒なんだ、駅がこうあってここをUターンして、ここのビルに停める。」
「え!Uターンするんですか?」
「道が広いし、赤信号で車が止まるから方向指示器を出すと曲がれるよ。それが一番いいだろう。」
「ハイ。。」

ま、ヒミツの練習で何度か通ったコースだもんね。大丈夫。。。なはず。

でも。それを知らない社長がよくそんな指令を出すものだ。
Uターンとか怖いもの知らずというか、リスキーなお人。。。


私はゆっくり地図を見ようと、近くのスーパーに車を止める。
こう言う時に限って、焦ってうまく駐車できない。
ハンドルを切り返す間、対面の車が動けず待っている。

ちょっとドキドキ。。いつもの行き当たりばったりのドライブとは違う。
急に代打でバッターボックスに立った気分。
ここでちゃんとできるって所、見せないと。

社長の言われたコースを順調にこなし、あとはナビどおり。
駐車の場所を探すのにやや手間取ったが、どうにか駐車完了。

帰る時にカエルコールを会社に入れようとするが電話ができない。
よく見ると【圏外】と記されている。

・・・携帯が圏外!!
ウワサに聞いてはいたが、これがそうか。
カッコいい!!ビジネスマン!

カエルコールはどこかの信号で・・と思ったが、よく考えてみると運転中に携帯はいけないのだったっけ。
そのまま急いで会社に戻る。
行きに混んでいた道をなるべく避け、帰りは30分で帰社。

しばらくすると、携帯に珍しく電話が掛かる。
(北澤だって?)

「もしもし・・?」
「さっきオレに電話しました?」
「え??あ・・・ゴメン・・また携帯に勝手に掛かっちゃったみたい。。スィマセン。。」
「たまには電話くださいっすよ。じゃ。」

そうだ・・圏外になってロック切っちゃった。
私の携帯はフタがないから、放っておくと勝手に掛かってしまうのだ。
前にもこんな事があったなぁ。。。。

でもアイツでよかった~~~
他の人だったらただの迷惑女になっちゃうもん。
この携帯、最初に登録したのが北澤だったんだっけ。
だから時々勝手に掛かっちゃうのかも。

私は家に帰ってから、ゴメンナサイメールを送った。それだけって言うのもなんだから、「子育てはどう?困ったことがあったら先輩に相談してみなさい(^O^)」と送った。

すると間も無く「頼もしい!ご鞭撻のほどよろしくお願いします」とアッパレの旗マークが3つくっついて送られてきた。

相変わらずノーテンキなヤツ。。。。

でも、つながっている。
本当に困った時は相談するって言う手もあるかも。
(そう言えばヨメさん保母さんだったわね。。('_'))

妹と電話

2008-02-12 | 父の記録と母の思い出
妹に電話して、父の様子を簡単に報告した。

「玄関の鍵もなかなか開かなかったみたい」
「そうなの。でも、それがかえって安心・・・かな。」

妹の話では、最近夜中に徘徊しているようで、電話のコンセントを抜いたり、雨戸を開けようとするらしい。病院に相談してみると、一種の寝ぼけ状態なのだそうだ。

「先生は、これが外に出たり家族に危害があるようならもっとぐっすり眠れる薬を処方もできるけれど、薬をむやみに増やすのもいいことではないから、この程度だったら様子を見てていいんじゃないかって。」

雨戸も開けようとしても、鍵が開けられない(気がつかない)から開かなくて、サッシを閉めるのを忘れて、サッシは開いたまま障子だけしまっていたりするのだそうだ。

「だから、朝起きると少しづつ変わってるんだよね、ゴトゴト音が聞こえるから何となく様子は分かるんだけど。」
「それから、コンビニの弁当もビニールから出すまでも時間が掛かるの。こう言うのも手を貸した方がいいのかどうか・・・。」
「最近、ラップも開けられないのよ。ひっくり返すと困るから取ったりしてるよ。子供たちが気がつくと(一緒に食事を取るから)教えたりしててね。」
「そうっかぁ・・・大変だよね。」
「まあね。^^;」

こんな調子だから、着替えも大変なのだそうだ。パンツを渡しても前か後ろか分からない。しばらくすると何のためにパンツを手にしているのか忘れてしまう。この前はそれでも父は下着の着替えを見られるのを嫌がり、1人で部屋でどうにかこなしているとの事だったが、今ではこの状態でどうなのか・・・・。そこまで突っ込むこともできず。

「あぁ、それから流しを見たらお皿が割れてたでしょ?あれもどうしたのかな~・・なんて。」
「あぁあ~!あれは娘が洗おうとして割っただけなの。たまたま先週2回割っちゃって、そのまま不燃の日に出すのを忘れてたんだ。^^;」
「そうなのか・・またじいさんが割ったのかと・・・。」
「そこまで触らないから大丈夫。」
「そうか・・・・」

それから義父の具合が悪くて、万が一の時は父と夕飯をお願いと言うので、分かったよと言うと、
「でもね、今までと環境が変わるって言うのですごく不安定になるんだって。だから、どうして?と訊かれたら、知り合いの葬式くらいにとどめてほしいんだ。出かける前に言っていくけど、たぶん忘れちゃうから。」
「そうか。分かった。」

そして、私達は「ちょっと進んだよね・・これがどっちから来てるのか分からないけど。」と言った。
そう言いながら妹はここでまた一つ大きくなり、余裕で父の面倒を看ているように思えた。

父と食べるパン

2008-02-11 | 父の記録と母の思い出
妹が義理父のお見舞いに行くと言うので父と昼食を取った。
(前から入院されていたが容態が悪いそうだ)

コンビニでカルビ弁当を買って、久しぶりに焼いたパンと持って行った。
チャイムを押すと、しばらくしてよろよろ父が玄関を開けようとするが、鍵がうまく開かないようだ。様子を見て持ってきた合鍵で中に入った。

買ってきたコンビニ弁当も袋から出すのに時間がかかる。
手で持つための穴から弁当を出そうとしているからだ。
ここまで目が悪くなっている?
私は父が自分で気がつくように見て見ぬ振りをする。ここで手を貸したら、また父を一つ否定してしまうような気がしたからだ。

「これはなんだ?」
「こっちはパン。午前中に自分で焼いたの。」
「こっちを食べるか。」

と言いながら、まだ父はコンビニ弁当を袋から出すのに苦戦した。
それでもやがて、小さな穴からムリヤリ弁当を力づくで取り出した。ラップはうまくはがせたようだ。

「こっちはなんだ?」
「パンだよ。私が自分で焼いたの。ソーセージパンとメロンパン。」
「こっちを食べるか。」
「どっちがいい?ソーセージとメロンパンだよ。」
「メロンパン。」
「牛乳飲む?」
「うん、持ってきてくれ。」
それは自分ではできないだろうと思って、私は冷蔵庫に向かった。
流しの横に割れた皿が二枚ある。
父が割ったのか・・まさか妹がこらえきれなくなって割ったんじゃあるまいな、勝手な想像も働く。

父はパンを食べて「うまいじゃん。」と言った。
でも、次の瞬間は覚えてないのだろうけど。


「これ(入れもの)はなんだ?」
「ソーセージパンだよ。さっき家で焼いて持ってきたの。」
「これを食べるか。」

そしてまた、おいしいよと言った。

父はそれですっかり忘れてしまったようだが、この小さな二つのパンだけでは足りないと思って、「カルビ弁当があるよ」と教えた。
全部は食べられないなと言うので、残してもいいんじゃない?と言った。

「これは何だ?」
「さっきお薬飲んだ水だよ、こっちが牛乳。」

こうして食事をしてみると、どちらだか分からないが(認知症だか目だか)確実に進んでいるのが分かる。
これではもう1人で外に出ることはできない・・はず。
家にじっとしていられなくて、年中外に出ていた父だったのだが。


父も母も毎日好きなことをして、楽しく生きていた。
何かのために自分を殺して犠牲にしている、ようには見えなかった。
毎日好きなものを食べて、パチンコをして、酒を飲んで、歌を歌って・・・。

今、父はどう思っているのだろう。
「最近やる事がなくて」と言いながら、何かをしたいと言う特別な要求がありそうでもなく、目の前に居る人、あることに淡々と応えるだけの日々。。。

たまにこうして父の顔を覗くだけの私が言うのはおこがましいのかもしれないが、介護とはどこまですべきものやら、と本当に思う。
誰だって親は好きだ。できるだけの事をしてはあげたい。
でも、心のどこかで我慢して「自分が犠牲になっている」と思うくらいなら、人に任せた方が逆に親のためなのではなかろうか。
自分の子供を、誰が自分のために犠牲にしたいと思うのだろうか。
毎日笑って楽しく生きていく方が正論ではないのか。
「親の介護なんてたまらん!」それが正直な答えなのではなかろうか。

その答えをいつか自分の胸に問いかける日も来るのだろうか。

父が食後の薬を飲み終えて、しばらく話すでも何でもなく、父も眠そうだったので「そろそろ帰るわ」と言った。
そうか、と言って、父は玄関まで送りだしてくれた。
そして手を振って別れた。

しばらく玄関の外でたじろいで、私は玄関を開けてみた。
やっぱり鍵を掛けてない。
合鍵でそっと鍵を閉めて、家に帰った。
もうすぐ妹も帰ってくるだろう。