きっと、いいことあるよね!

母(sake)と息子(keke)の日々の記録。
お出かけ写真と料理など。

「大放言」/百田尚樹さん

2017-04-07 | 読んだ本
「大放言」百田尚樹さんの本を読む。

つまらなかったら途中で止めようと何の気なしに読んだが、一気に読んでしまった。面白かった。
私は漫才やコントで声を出して笑うことはまずないが、この本で笑った箇所が少なくても2ヶ所ある。これだけの本をここまでスラスラ読ませるのはやはり作家の力なのだろう。

この本は日ごろの発言の炎上騒ぎを受け、「こんなに嫌われているなら書いて書いて書きまくってやるゾ!」と言う百田さんのエッセーである。第一章「現代の若きバカものたちへ」と題し、こんなバカ、こんなバカ、こんなバカ、と列挙している中に「ブログで食べものを書くバカ」という項があり、これがまさに自分(私)のことなのであった。

私も知らなかったがなんと!2006年ではインターネットの世界でブログで最も使われている言語が英語を抜いて日本語が1位になったのだと言う。ちなみに60億人人口がいるなかで日本語を使っている人間は1億2000万人しかいないのに、だ。(この数字はすごいとしか言いようがないと百田さんも語る。)

最初はかっこいいことを書こうという気持があるようだが、大抵の人は3日もするとネタがなくなる・・・本も月に1冊読むかどうかだったり、映画だって面白かったかつまらなかったぐらいの表現しかない。あとは日々毎日の繰り返し・・しかし食事はどうだろう、逆に毎日同じとはありえない・・だから食事の写真を撮っては毎日せっせとアップする。
こうして毎日中身の何もない食事日記がこの極東の島国から毎日大量に生み出され、それも世界に向けてまた今日も発信され続けているのだ、みたいなくだりを読んで吹き出してしまった。
「でも自分も職業作家なのに、ツイッターで1円にもならないつぶやきをしちゃったりしてるんだけどね」なんて最後にまとめている。

最後は「我が炎上史」と銘打って、今までの炎上騒ぎの説明、「これはこういう意味で言ったここの部分だけを強調されて使われただけ」ということが書かれている。これを読むと「なるほどなぁ、これでは百田さんもちょっと気の毒だよなァ」と思う。これはこの章だけではなく、曽根綾子さんのアパルトヘイト発言(?)や大企業の社長の発言などにも言及している。要はマスコミの解釈(偏向)の仕方でかなりニュアンスが変わってしまうのだ、というのがこの本の趣旨でもあるのだ。

百田さんという人は、私のこれまでのイメージは戦争賛美の怖い人だと思っていたが、この本を読んで大阪の人なので言葉尻はキツイけれど、そうでもないんだろうなぁ~と想像した。上から目線と言う感じでもない。この人はこの国が好きで日本人が好きなのだと思う。

最後に沖縄の基地のことが書かれている。
私はここでも今まで知らなかったことがいろいろ分かった。

普天間基地というのは元々は畑ばかりでさほど人が住んでいない場所だった。(1940年代までは13,000人程度)基地ができてからあれよあれよと人が増えて行き、(1970年代で39,000人、2015年になっては95,000人)基地の近くなら商売ができるからとその後で越してきた人が多いと言うのである。それから中には反基地活動の中には67㎡の中に600人が地主となっているケースもあるのだとか。ハンカチ1枚程度の面積でも地主なのである。

私はすぐに感化されやすい人間なのでこういう本を読むとなるほどと思うのだ。

前に韓国のパク元大統領が「日本と韓国と中国で教科書を一つにして歴史的認識を一緒にすればいいのに」とほんの一瞬言って、すぐに発言を引っ込めたような気がしたが・・・どうしてこんなに同じ国で右と左と歴史認識や見解が違うのだろうと思う。
大方の真実は一つなのでは・・・?と思うのだが。。。

ここのブログをいろんな方が読んでいると思うので、こういうことを書くのは非常に心苦しいが、ケント・ギルバードさんも百田さんも、このようなデータをとても持っている人なのである。こういう本を読まずにして拒否するだけでは語りに落ちるような気がしてしまう。相手の話を聞かずに反対反対だけでは、ずっとこのままだろう。


この本では出版社の苦悩もつづられており「頼むから図書館に1年以内の新刊本を置くのはやめてほしい。そうでないとみんな本を買わないから。」と書かれているが、私はそれには反対である。図書館で本を予約したところで、届くのは何か月も先、下手すれば半年待ち1年待ちの所も多い。雑誌は季節が変わる。図書館で本を置こうが置くまいが買える人は普通に買って読むだろう。貧乏人だって情報は早くほしい。

私がこうして読んでいる本はみんな図書館で借りた本だ。
それらがなければ、私はいまだにケント・ギルバードさんも百田さんも知らず、TV報道の偏向(?)も知らなかったし、反基地運動のことも知らなかっただろう。毎月6~7万で過ごしている人間が本を何冊も買えるわけがない。図書館がなければ本を読まないだけ。
それでも出版社もそんなにキツイのかと思い(でも私よりも高給取りなんだろうな)、これからは古本屋ではなく買う時は(とは言っても図書館で試し読みができなければ買うことはない)本屋さんで定価で買おうと思う。


6 コメント

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おはようございます (kao)
2017-04-07 07:37:45
ちゃんと百田さんの本を拝見して
いても反対の持論をお持ちの方も大勢と
おもいますよ・
まあいろいろな考え方のかたがおられますけれどもね。
反対かわのひとのデータをたくさんもっておられの
かたの
ご本を百田さんファンの方は好んでは読まれませんからね~。・偏向報道もほんとに偏向報道なのでしょうかね?あたまよくないのでわかりません。スミマセン・・。
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おはようございます♪ (みみ)
2017-04-07 08:58:30
新聞でも朝日・読売・毎日・日系等プラススポーツ紙各社がありますね。
取り上げ方というか切り口は様々。

沖縄のメル友さん(70代男性)が言うには基地問題で騒いでいるのは本土から来た人とsakeさんが言うように地元でも本当に狭い農地を取り上げられた人が大半だと言っていました。

でもいろんな意見を自由に?言い合えるこの国はまだマシなんでしょうね。
ミサイルをドッカンドッカン打ち上げている かの国は言論も仕事も自由なんて無いでしょうから。

ただ現在の国内政治に関しては…数の論理で意味不明な法案がまかり通っているようで不気味です。
まるで「戦前」のように感じる私が変なのでしょうか?

朝から重い意見でゴメン
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おはようございます (麻乃)
2017-04-07 09:05:16
最近、馬以外の本、読んでなかったなぁ。

でも「大方言」面白そうですネ。

早速、買って読んでみますね。

紹介してくださって有難うございます。
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>kaoさん (sake)
2017-04-07 12:32:01
kaoさん、こんにちは。
そうですよね、私もkaoさんの言うとおりだと思い、この本のamazonレビューを見てみることにしました。

この本の評価は☆5つ(最高評価)が174人、☆ひとつ(最低評価)が43人でした。
そして、☆1つの人の意見を読むことにしました。まだ全部は読みきれていませんが、前に出した「殉愛」のことが書かれていないという意見や、本と言うより人格否定のようなものが多いような気がして・・・かえって気の毒になりました。

私もこのような本ばかり最近読んでしまっているかもしれませんね。
でも沖縄の基地のこともいろいろ知るところが多く、勉強になったような気がしますよ。^^
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>みみさん (sake)
2017-04-07 14:11:45
共謀罪(?)みたいな名前の法律もありましたよね?その後どうなったのか知りませんが。。。

私もうろ覚えで確かではないかもしれませんが、あれはテロ情報を共有できる世界の国のグループ組織(国際組織犯罪防止条約)に参加するためにはその法律が成立していないとならないとか、そんな事情があったようなことを読んだ気がします。
先進国では、その法律が成り立っていて先進国だけでは日本だけが成り立っていないと読んだ気がします。
テロとかそのような組織の怖さを分かっていないからだとか。。。

そういうこともちゃんと報道されて、あぁなるほどと納得できれば、また前に進めるような気もします。
でもみみさんの言われるように戦前のああいう言論封じになるのも心配ですよね。

沖縄のメル友さんもそのようなことを言われていたのですか。それではそれは本当のことかもしれませんね。
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>麻乃さん (sake)
2017-04-07 14:14:06
麻乃さん、こんにちは。
ここのところご無沙汰してしまって失礼しています。

この本、面白かったです。
もっと怖い人かというイメージだったので、印象も変わりました。
また別の本も読んでみようかな?と思っています。(^_^;)
紹介してみてよかったです。
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