クモの生態についての解説書。
糸を出すことがクモの特徴とされており(4ページ)、クモの糸はタンパク質(フィブロイン)でできていて体内では液体状で体外に出ると空気に触れて糸になり、糸の種類に応じて異なる腺で作られ異なる糸疣から出てくる、粘着性がある糸とそうでない糸があり粘着性のある糸は粘着物質による場合と微細な糸(梳糸)の絡みつき・ファンデルワールス力による場合がある(66~68ページ)、同じ太さでは鋼鉄以上の強さを持ちしなやかという素晴らしい素材で人工的にはクモの糸を超えるものはまだ合成できない(166~168ページ)が、クモが何故糸を出すように進化したのかははっきりとはわかっていない(23ページ)のだそうです。
第5章では、交尾をするために雌を眠らせ(催眠術をかける)たり糸で縛り付けたり脱皮直後の動けないときを狙って交尾するというような話が続きます。ふつうは雌の方が雄より大きく雄が不用意に雌に近づくと食われてしまうのだそうです。他方で生まれてきた子に母親が食われる種(カバキコマチグモ)も紹介されています(30~31ページ)。厳しい世界ですね。
種類と個体数の多さからでしょうけれども、世界中でクモが食べる餌の消費量は人間が魚と肉を食べる量に匹敵するそうです(108ページ)。塵も積もればということですが、こういう数字(クモが食べる昆虫の量は毎年4億~8億トン)を聞かされると驚きます。
カラー図版で、ふんだんにクモの写真が出てきます。美しいとも言えますが、読者の多くにとっては気持ち悪くなる方が強いのではないかと思ってしまいます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_shock2.gif)
浅間茂 中公新書 2022年4月25日発行
糸を出すことがクモの特徴とされており(4ページ)、クモの糸はタンパク質(フィブロイン)でできていて体内では液体状で体外に出ると空気に触れて糸になり、糸の種類に応じて異なる腺で作られ異なる糸疣から出てくる、粘着性がある糸とそうでない糸があり粘着性のある糸は粘着物質による場合と微細な糸(梳糸)の絡みつき・ファンデルワールス力による場合がある(66~68ページ)、同じ太さでは鋼鉄以上の強さを持ちしなやかという素晴らしい素材で人工的にはクモの糸を超えるものはまだ合成できない(166~168ページ)が、クモが何故糸を出すように進化したのかははっきりとはわかっていない(23ページ)のだそうです。
第5章では、交尾をするために雌を眠らせ(催眠術をかける)たり糸で縛り付けたり脱皮直後の動けないときを狙って交尾するというような話が続きます。ふつうは雌の方が雄より大きく雄が不用意に雌に近づくと食われてしまうのだそうです。他方で生まれてきた子に母親が食われる種(カバキコマチグモ)も紹介されています(30~31ページ)。厳しい世界ですね。
種類と個体数の多さからでしょうけれども、世界中でクモが食べる餌の消費量は人間が魚と肉を食べる量に匹敵するそうです(108ページ)。塵も積もればということですが、こういう数字(クモが食べる昆虫の量は毎年4億~8億トン)を聞かされると驚きます。
カラー図版で、ふんだんにクモの写真が出てきます。美しいとも言えますが、読者の多くにとっては気持ち悪くなる方が強いのではないかと思ってしまいます。
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浅間茂 中公新書 2022年4月25日発行