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伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

若者言葉の研究 SNS時代の言語変化

2022-08-08 23:35:37 | 人文・社会科学系
 1990年代後半から2000年代(2007年頃まで)の若者言葉について言語学的に分析した本。
 2015年の著者の博士論文を元にしたものということで、研究論文的な色彩があり、そこでは先行論文との違いとか、検討対象とする資料及びその範囲の客観性等が意識され、そのあたりは部外者にはその当否も判断しにくく、また若干の読みづらさの元になっています。
 若者言葉というくくりで見ると、自分たち(の世代)が用いてきた日本語とは異なるところに目が行きますが、著者が若者言葉に興味を持ったきっかけだという「告る」のような「動詞化接辞『ーる』」にしても、「サボる」「アジる」など私たちが若い頃から使われていましたし、固有名詞+るという用例では私たちが若い頃に「江川る」っていうのが流行りました。その意味で、昔から若者は、その頃の高年齢層からは異文化的に見られ嘆かれてきて、ただ自分が若者側から高年齢層に移って「若者言葉」が特別に見えるということなんだなぁと改めて感じました。
 2010年代の分析で、「くない?」「って感じ」「よさげ」などは「廃れた可能性のあるもの」とされています(122ページ)。そうか、ときどき使うかも。おじさんが使うようになっているのだから、もう廃れているんでしょうね。
 「ほぼほぼ」が「『ほぼ』よりも確実性の高いときに使う」もので2010年代の若者言葉と紹介されています(122ページ)。私は、この言葉、原子力規制委員会の更田委員長が使っているのが初見(初聞?)だったのですが…


堀尾佳以 九州大学出版会 2022年5月16日発行
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