エビ、カニの体の構造と生態について解説した本。
カニがつま先立ちで(ほとんどのカニの歩脚の先は尖った爪状になっている)歩くのは、海や川の水底にはエビ・カニの外骨格を構成しているキチンを最終的にグルコースにまで分解するキチン分解細菌やタンパク質を最終的にアミノ酸にまで分解する細菌が多数いて(例えばクルマエビが脱皮した抜け殻を放置して観察すると3、4日もすれば跡形なく消えてしまう)大きな傷口でもできれば免疫システムによる血液凝固や細菌死滅が間に合わず死に直面しかねない、その危険を最小限にするためなんだそうです(125~129ページ)。
カニ味噌って、カニの肝膵臓なんですね(43ページ)。海に生息するエビ・カニは体内の浸透圧を上げるためにアミノ酸も使っていてそのアミノ酸にはエビ・カニの甘みの素になるグリシンなどが含まれているので海から漁獲されたばかりのエビ・カニは甘くおいしく感じるが、捕獲後に塩分が海水より低いいけすや水槽で活かしておくと浸透圧が下がりグリシンなどが減少して食べても甘くおいしく感じなくなるって(40~41ページ)。
タイトルに合わせて、いちいち「すごいと思える」というフレーズが使われるのがうるさい感じがしますが、いろいろに好奇心を刺激される本でした。
矢野勲 中公新書 2021年12月25日発行
カニがつま先立ちで(ほとんどのカニの歩脚の先は尖った爪状になっている)歩くのは、海や川の水底にはエビ・カニの外骨格を構成しているキチンを最終的にグルコースにまで分解するキチン分解細菌やタンパク質を最終的にアミノ酸にまで分解する細菌が多数いて(例えばクルマエビが脱皮した抜け殻を放置して観察すると3、4日もすれば跡形なく消えてしまう)大きな傷口でもできれば免疫システムによる血液凝固や細菌死滅が間に合わず死に直面しかねない、その危険を最小限にするためなんだそうです(125~129ページ)。
カニ味噌って、カニの肝膵臓なんですね(43ページ)。海に生息するエビ・カニは体内の浸透圧を上げるためにアミノ酸も使っていてそのアミノ酸にはエビ・カニの甘みの素になるグリシンなどが含まれているので海から漁獲されたばかりのエビ・カニは甘くおいしく感じるが、捕獲後に塩分が海水より低いいけすや水槽で活かしておくと浸透圧が下がりグリシンなどが減少して食べても甘くおいしく感じなくなるって(40~41ページ)。
タイトルに合わせて、いちいち「すごいと思える」というフレーズが使われるのがうるさい感じがしますが、いろいろに好奇心を刺激される本でした。
矢野勲 中公新書 2021年12月25日発行