動物の生殖器・睾丸について説明した本。
哺乳類の大部分(9割くらい)の睾丸が陰嚢に収められて体外でぶら下がっている理由について、体内の高温下では精子の生産能力が落ちるためというのが一般的な説明ですが、単孔類(カモノハシ等)、有袋類(カンガルー、コアラ等)の他、ゾウなど、哺乳類でも睾丸が体内にある種も少なからずあることなどから、著者は疑問を呈しています(60~63ページ)。もっと論争を深めて欲しいなと思います。
ウズラは(ニワトリも)商品となる卵は有精卵である必要がないので、飼育する人間の都合により卵を産めないオスはヒヨコの段階で殺されてメスだけが育てられるのですが、ウズラの雌雄の判定は難しくてプロの初生雛鑑別師でもときどき判断ミスをする結果、オスが間違えてメスとして育てられケージの中でメスと交尾しまくる(おぉ、ハーレム!)ため、20個に1個くらいの割合で有精卵が混じっているのだそうです(67~69ページ)。
ウニは、ウニ専門の業者でなければメスの卵巣とオスの精巣がほとんど見分けがつかず、ウニ専門の業者でなければ市場関係者でもウニにオスメスがあることさえ知らないことも多く、食用にされているのは卵巣と精巣が半々の確率なんだそうです(96~98ページ)。
睾丸そのものの話よりもそういうあたりで知的好奇心をそそられました。

丸山貴史 緑書房 2022年5月20日発行
哺乳類の大部分(9割くらい)の睾丸が陰嚢に収められて体外でぶら下がっている理由について、体内の高温下では精子の生産能力が落ちるためというのが一般的な説明ですが、単孔類(カモノハシ等)、有袋類(カンガルー、コアラ等)の他、ゾウなど、哺乳類でも睾丸が体内にある種も少なからずあることなどから、著者は疑問を呈しています(60~63ページ)。もっと論争を深めて欲しいなと思います。
ウズラは(ニワトリも)商品となる卵は有精卵である必要がないので、飼育する人間の都合により卵を産めないオスはヒヨコの段階で殺されてメスだけが育てられるのですが、ウズラの雌雄の判定は難しくてプロの初生雛鑑別師でもときどき判断ミスをする結果、オスが間違えてメスとして育てられケージの中でメスと交尾しまくる(おぉ、ハーレム!)ため、20個に1個くらいの割合で有精卵が混じっているのだそうです(67~69ページ)。
ウニは、ウニ専門の業者でなければメスの卵巣とオスの精巣がほとんど見分けがつかず、ウニ専門の業者でなければ市場関係者でもウニにオスメスがあることさえ知らないことも多く、食用にされているのは卵巣と精巣が半々の確率なんだそうです(96~98ページ)。
睾丸そのものの話よりもそういうあたりで知的好奇心をそそられました。

丸山貴史 緑書房 2022年5月20日発行