Sightsong

自縄自縛日記

秋山徹次+遠藤ふみ+岡川怜央@水道橋Ftarri

2023-03-20 08:47:14 | アヴァンギャルド・ジャズ

水道橋のFtarri(2023/3/19)。

Tetuzi Akiyama 秋山徹次 (g)
Fumi Endo 遠藤ふみ (p)
Leo Okagawa 岡川怜央 (electronics)

この顔合わせとなるとちょっとした驚きがあって、企画者にとってもどうなるか勇気の要るところだったにちがいない。結果としてとても刺激的だった。

というのも、ギターとピアノとは相互に音を聴き、すぐに反応して音を出しているのだけれど、それは意識的であると同時に自動筆記的でもあって、あきらかに方法論に依拠したものでもクリシェでもない(あるいはクリシェなんてどうでもよい)。模索のプロセスが内的なものにとどめられているのは力量の信頼感によるものか(その逆が、サウンドを完成させようとする模索を人前に提示するありよう)。そして岡川さんの音は向こう側の後景だと認識していると、いつの間にかこちら側に侵食していてふたりの間にも観客席のあしもとにも広がり、びりびりと電気信号を飛ばし、また気が付くと向こう側に去っている。三者は深く関係をしており、無関係でもあり、その両極端が成り立っていることがおもしろい。

セカンドセットの終盤で三者が演奏を休止させた瞬間があって、それもまた意識的でなくてはならないはずだが、個々の意識を超えた集団の自律性があるように感じられた。

Fuji X-E2, 7Artisans 12mmF2.8, Rollei Sonnar 85mmF2.8 (M42)

●秋山徹次
インプロヴァイザーの立脚地 vol.5 秋山徹次(JazzTokyo)(2023年)
トム・ソロヴェイチェック+小田井清充+秋山徹次@不動前Permian(2023年)
「ジョン・ラッセルを追悼する」@下北沢アレイホール(2022年)
秋山徹次+すずえり@水道橋Ftarri(2020年)
ヨアヒム・バーデンホルスト+ガレス・デイヴィス+秋山徹次@水道橋Ftarri(2020年)
ドーヴィッド・シュタッケナース+秋山徹次+中谷達也@東北沢OTOOTO(2020年)
アーサー・ブル+秋山徹次、神田さやか@Ftarri(2019年)
謝明諺+秋山徹次+池田陽子+矢部優子@Ftarri(2019年)
エリザベス・ミラー+クレイグ・ペデルセン+秋山徹次+中村としまる@Ftarri(2018年)
「響きの今」(ジョン・ラッセル、ストーレ・リアヴィーク・ソルベルグ、ピーター・エヴァンス、秋山徹次)@両国門天ホール(2018年)
高島正志+古池寿浩+秋山徹次「Blues Frozen Xīng ブルース 凍てついた星」@Ftarri(2018年)
Sound of the Mountain with 秋山徹次、中村としまる『amplified clarinet and trumpet, guitars, nimb』(JazzTokyo)(2017年)
ファビオ・ペルレッタ+ロレンツォ・バローニ+秋山徹次+すずえり@Ftarri(2017年)
池田謙+秋山徹次@東北沢OTOOTO(2017年)
『OTOOTO』(2015、17年)

●遠藤ふみ
Uquwa@神保町試聴室(2023年)
齊藤涼子+遠藤ふみ@u-ma kagurazaka(2023年)
浅野昭一+高橋麻理絵+遠藤ふみ@下北沢Apollo(2023年)
遠藤ふみ+甲斐正樹+則武諒@神保町試聴室(2023年)
遠藤ふみ@水道橋Ftarri(2023年)
幽けき刻@成城学園前Cafe Beulmans(2022年)
やみのうつつ vol.1@神保町試聴室(2022年)
長沢哲+遠藤ふみ@神保町試聴室(2022年)
遠藤ふみ+甲斐正樹+則武諒@神保町試聴室(2022年)
幽けき刻@公園通りクラシックス(2022年)
神田綾子+矢部優子+遠藤ふみ@大泉学園インエフ(2021年)
遠藤ふみ『Live at Ftarri, March 8, April 11 and June 27, 2021』(JazzTokyo)(2021年)
青木タイセイ+遠藤ふみ+則武諒@関内・上町63(2021年)
徳永将豪+遠藤ふみ@Ftarri(その3)(2021年)
かみむら泰一+古和靖章+遠藤ふみ+阿部真武@神保町試聴室(2021年)
徳永将豪+遠藤ふみ@Ftarri(その2)(2021年)
本藤美咲+遠藤ふみ@Ftarri(2021年)
徳永将豪+遠藤ふみ@Ftarri(2021年)
池田陽子+遠藤ふみ@Ftarri(2021年)

岡川怜央
神田綾子+細井徳太郎+岡川怜央@水道橋Ftarri(JazzTokyo)(2021年)
池田陽子+阿部真武+岡川怜央@Ftarri(2021年)
穢れ(JazzTokyo)(2020年)
謝明諺+大上流一+岡川怜央@Ftarri(2018年)
『Ftarri 福袋 2018』(2017年)


鈴木清『天幕の街』@富士フイルムスクエア

2023-03-20 08:20:06 | 写真

鈴木清という写真家はほとんどの写真集を自費出版で出した人で、いまやすべて高騰していてとても手が出ない(僕も復刻版の『流れの歌』を持っているだけ)。

そこには高校に通いながら働いていた印刷所のノウハウが活かされている。というと宮沢賢治『銀河鉄道の夜』で活字拾いのバイトをするジョバンニのことを思い出してしまうけれど、いまZINEを作っている人たちはどう感じるのだろう。

ミッドタウンの富士フイルムスクエアで開かれている『天幕の街』(1982年)も貴重な写真群。印画紙に焼き付けられたサーカスの人たちをあらためて凝視すると、眼の奥は闇で、そこから先に入っていくことはとてもできそうにない。自分が鈴木清の写真に魅せられる理由もそのあたりなのかと思える。

鈴木清写真展「天幕の街 MIND GAMES」 | 写真展・ フジフイルム スクエア(FUJIFILM SQUARE)

●鈴木清
鈴木清 パリ・フォト報告会(2013年)
鈴木清(2013年)