アレホ・カルペンティエール『バロック狂騒曲』(水声社、原著1979年)。
かつてサンリオSF文庫で出ていたもので、この水声社版も基本的には同じ鼓直の名訳。コンサートが始まる前にあらためて読んだ。やはりくらくらする。
傑作『失われた足跡』は河を遡上しながら時間も遡ってゆくものだったが、これはヨーロッパとアメリカの間で時空間が錯綜する。最後にイタリアの劇場に天才ルイ・アームストロングが現れ、〈Go Down Moses〉を吹き始めるシーンなんて圧巻。うわあ。
「この曲が真鍮の朝顔を伝いながら昇っていく劇場の天井には、おそらくティエポロの明るい筆になる、妙なる歌を唱する薔薇色の肌の楽人たちが飛んでいる姿が描かれていた。」
G・G・マルケス『戒厳令下チリ潜入記』、ドキュメンタリー『将軍を追いつめた判事』
アレホ・カルペンティエル『時との戦い』
アレホ・カルペンティエル『バロック協奏曲』