代官山の晴れたら空に豆まいて(2024/12/7)。
Yumiko Tanaka 田中悠美子 (義太夫三味線)
Guest:
Kazuhisa Uchihashi 内橋和久 (g, daxophone)
New Little One
Dairo Suga スガダイロー (p)
Tokutaro Hosoi 細井徳太郎 (g)
Shu Akimoto 秋元修 (ds)
DJ:
Kaede Adachi 安達楓
伝統から冒険まで充実のプログラム。
高橋悠治、藤倉大、一ノ瀬響の作品によるソロはそれぞれ曲想がおもしろく、特に終盤に雰囲気が変わってゆく藤倉作品に惹かれた。ファーストセットの最後は内橋和久さんとのデュオで、複数の登場人物による舞台を観ているようなダクソフォンと並び、別のキャラが立った登場人物として演技する悠美子さん。そのコントラストは静と動というよりも別次元の併存。即興のポケットに入るといつも悠美子さんは笑いながら演奏する。
休憩時間に安達楓さんの選曲はわけわかんなくておもしろいですね、なんて雑談をしていたら、突然齋藤徹さんの音が流れてきてびっくりした。
セカンドセットはNew Little Oneとのセロニアス・モンク集。意外にもモンクをまるで知らなかったという悠美子さんの世界観と、トリオのジャズの世界観とがまるでちがう。中国琵琶(ピパ)の閔小芬(ミン・シャオフェン)がモンクを弾きはじめたときにも驚いたものだけれど、そこにはモンクの音世界に勇気をもって入ってゆくすばらしさがあった。悠美子さんのそれは義太夫三味線のアイデンティティを保持しながらあらたな音世界を模索するすばらしさだ。<'Round Midnight>、<Evidence>、<Crepuscule with Nellie>、<Brilliant Corners>、最後に内橋さんが加わり<Jackie-ing>。とくに<Evidence>なんて最初から空中分解するのではないかと思わせつつ三味線とジャズとのギャップを平然と提示する。空中分解しないのはジャズのスピードや踏み込みによるギャップそのものの顕在化、それからギャップがあってもいいじゃないという悠美子さんのたたずまいによるところが大きい。複雑なパズルを全員で説いていくような<Brilliant Corners>もギャップの意図的な顕在化。悠美子さん、どこかで琉球音階使ったような・・・?
最後のソロにおいて、義太夫三味線の残響がつぎに開かれていることを示しているように思えた。
●田中悠美子
田中悠美子+閔小芬(ミン・シャオフェン)+カール・ストーン@水道橋Ftarri(2024年)
MIYA+田中悠美子@千駄木Bar Isshee(2024年)
ブライアン・アレン+田中悠美子+今西紅雪(JazzTokyo)(2023年)
ロジャー・ターナー+田中悠美子@東北沢OTOOTO(2023年)
Encounter To Engage - featuring Tatsu Aoki, from Chicago@渋谷Li-Po(2023年)
内橋和久+田中悠美子@千駄木Bar Isshee(2023年)
ブライアン・アレン+田中悠美子+今西紅雪@東北沢OTOOTO(2023年)
田中悠美子@Ftarri(2022年)
「ジョン・ラッセルを追悼する」@下北沢アレイホール(2022年)
藤山裕子+さがゆき+田中悠美子+山田邦喜@なってるハウス(2020年)
トム・ブランカート+ルイーズ・ジェンセン+今西紅雪+田中悠美子@本八幡cooljojo(JazzTokyo)(2019年)
齊藤僚太+ヨシュア・ヴァイツェル+田中悠美子@Ftarri(2018年)
角銅真実+横手ありさ、田中悠美子+清田裕美子、すずえり+大城真@Ftarri(2018年)
●内橋和久
アルタードステイツ@湯島Bar道(2024年)
I-I(内橋和久+山本達久+坂口光央)@代々木上原Hako Gallery(2024年)
内橋和久+謝明諺@千駄木Bar Isshee(2023年)
内橋和久+とうめいロボ@千駄木Bar Isshee(2023年)
天鼓+内橋和久「天ノ橋 地獄巡」@秋葉原Club Goodman(2023年)
内橋和久+カール・ストーン@千駄木Bar Isshee(2023年)
内橋和久+田中悠美子@千駄木Bar Isshee(2023年)
高瀬アキ+ダニエル・エルトマン+内橋和久+中山晃子『複数の時間』@ゲーテ・インスティトゥート東京(2022年)
内橋和久+広瀬淳二@千駄木Bar Isshee(2022年)
内橋和久+松丸契@千駄木Bar Isshee(2020年)
ロジャー・ターナー+喜多直毅+内橋和久@下北沢Apollo(2019年)
サインホ・ナムチラック+内橋和久@八丁堀ハウル(2019年)
内橋和久+サーデット・テュルキョズ@Bar Isshee(2018年)
ユーラシアンオペラ東京2018(Incredible sound vision of Eurasia in Tokyo)@スーパーデラックス(2018年)
ロジャー・ターナー+広瀬淳二+内橋和久@公園通りクラシックス(2017年)
U9(高橋悠治+内橋和久)@新宿ピットイン(2017年)
●スガダイロー
謝明諺&スガダイロー a new little one『Our Waning Love』(JazzTokyo)(2023年)
我楽@本八幡cooljojo(2021年)
スガダイロートリオ@荻窪ベルベットサン(2019年)
秘湯感@新宿ピットイン(2019年)
森山威男 NEW YEAR SPECIAL 2019 その2@新宿ピットイン(2019年)
JazzTokyoのクリス・ピッツィオコス特集その2(2017年)
クリス・ピッツィオコス+吉田達也+広瀬淳二+JOJO広重+スガダイロー@秋葉原GOODMAN(2017年)
纐纈雅代『Band of Eden』(2015年)
秘宝感とblacksheep@新宿ピットイン(2012年)
『blacksheep 2』(2011年)
『秘宝感』(2010年)
●細井徳太郎
おひるね(細井徳太郎+梅井美咲+外山明)@公園通りクラシックス(2024年)
謝明諺&スガダイロー a new little one『Our Waning Love』(JazzTokyo)(2023年)
インプロヴァイザーの立脚地 vol.4 細井徳太郎(JazzTokyo)(2023年)
細井徳太郎+阿部真武@水道橋Ftarri(2022年)
吉田達也+神田綾子+細井徳太郎@公園通りクラシックス(2021年)
神田綾子+細井徳太郎+岡川怜央@水道橋Ftarri(JazzTokyo)(2021年)
有本羅人+類家心平+細井徳太郎+池澤龍作+レオナ@神保町試聴室(2021年)
Dance x Music Session Vol. 01(2020年)
坪口昌恭+細井徳太郎@下北沢No Room For Squares(2020年)
秘密基地『ぽつねん』(2019年)
細井徳太郎+松丸契@東北沢OTOOTO(2019年)
WaoiL@下北沢Apollo(2019年)
李世揚+瀬尾高志+細井徳太郎+レオナ@神保町試聴室(2019年)
細井徳太郎+君島大空@下北沢Apollo(2019年)
秘密基地@東北沢OTOOTO(2019年)
謝明諺+高橋佑成+細井徳太郎+瀬尾高志@下北沢Apollo(2019年)
WaoiL@下北沢Apollo(2019年)
ヨアヒム・バーデンホルスト+シセル・ヴェラ・ペテルセン+細井徳太郎@下北沢Apollo、+外山明+大上流一@不動前Permian(2019年)
合わせ鏡一枚 with 直江実樹@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2019年)
SMTK@下北沢Apollo(2019年)
伊藤匠+細井徳太郎+栗田妙子@吉祥寺Lilt(2018年)
●秋元修
謝明諺&スガダイロー a new little one『Our Waning Love』(JazzTokyo)(2023年)
瀬尾高志+広瀬淳二+高橋佑成+秋元修@神保町試聴室(2022年)