林栄一+小埜涼子『Beyond the Dual 2』(R-Records、2014-15年)を聴く。
Eiichi Hayashi 林栄一 (as)
Ryoko Ono 小埜涼子 (as)
林栄一のアルトサックスは誰が聴いても一発で判るような音色で、節回しもまた個性的。そのため、『音の粒』といった完全ソロや、たとえば「往来トリオ」だとか『Mona Lisa』だとかのワンホーン作品でも、わたしはその気にならないと聴かないことが多い。(もっともそれは個性的な楽器奏者の誰についても言えることだろうけれど。)
このアルトふたりのくんずほぐれつの吹き込みからは、その林さんの個性だけが聴こえてくるわけではないが、同時に重層的なサウンドの中から林さんの個性がくっきりと浮かび上がってきて面白い。小埜さんのドライで闊達なソロの積み重ねも好きになる。1足す1は3以上である。
●参照
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2011年)
カーラ・ブレイ+スティーヴ・スワロウ『DUETS』、渋谷毅オーケストラ
往来トリオの2作品、『往来』と『雲は行く』(1999-2000年)