三社『無線/伊豆』(P.S.F Records、2006年)を聴く。
Kan Mikami 三上寛 (vo, g)
Masayoshi Urabe 浦邊雅祥 (as, etc.)
Toshiaki Ishizuka 石塚俊明 (perc)
いつ、三上寛の叫びとつぶやきと、喉を膨らませての籠った音を聴いても、底知れない恐ろしさの感情が攻めてくる。地獄のような暗い井戸を無理やり覗き込まされるようでもあり、しかしそれは腹筋が痙攣する笑いと表裏一体でもあり。
この1分ほどの続けざまの絶叫。何がなにやら、どうすればいいのだろう。
「コップの下に紙ひくな/お高くとまった夢見るな/十時のホテルで夢見るな/月夜の晩では夢見るな/月夜の晩では死んでいる/太陽の真ん中に五臓六腑が積み上がる」
「お前の夢は百姓の/春の田んぼの畦道だ」
それにしても浦邊雅祥のサックスと笛は驚くほど美しいというのか、まるで暗闇の中で踊る獣のようだ。三上寛のさらけ出す内臓と、自身も周囲も壊さんとしている石塚俊明のパーカッションとも相まって、耳を傾けていると無性に狂いそうになってくるのだった。
三上寛とサックス奏者とが共演した盤は、林栄一との四人幇『オレたちの事情』(off note、2001年)、川下直広との『air borne』(off note、2002年)をよく聴いてきた。全員がまったく違うキャラを発散していて面白い。
●参照
三上寛『YAMAMOTO』(2013年)
どん底とか三上寛とか、新宿三丁目とか二丁目とか
中央線ジャズ
三上寛+スズキコージ+18禁 『世界で一番美しい夜』(2007年)
浦邊雅祥@キッド・アイラック・アート・ホール(2016年)