本八幡のCooljojoにて、「along with jojo」という企画でのライヴを観る(2016/6/12)。
Hiroshi Yoshino 吉野弘志 (b)
Sadanori Nakamure 中牟礼貞則 (g)
Koichi Hiroki 廣木光一 (g)
何しろウルトラレジェンド・中牟礼貞則である。『銀巴里セッション』だぞ。
最初は中牟礼さんと吉野さんとのデュオで、ジム・ホールの「Something Special」、ミシェル・ペトルチアーニの「Morning Blues」(これも『Power of Three』においてジム・ホールがギターを弾いている)など。廣木さんが加わり、高柳昌行らしく、レニー・トリスターノ「317 East 32nd Street」とリー・コニッツの「Dream Stepper」。セカンドセットは、中牟礼・廣木デュオで廣木さんの「Sleeping Jojo」などのあと、トリオで、ホールの「Running Out of Gas」、中牟礼さんのオリジナル「In A Stream」、スタンダード「All The Things You Are」、そしてアンコールでハーブ・エリスらの「Detour Ahead」。
手探りのように弾き始めた中牟礼さんは、やがてノッてきていい音を出した。太くクリアであり、和音は丁寧にぶつからず、しかし、じゃーんとキメる。この味わいといったらまさに妙なるもので、そこには日本ジャズの歴史が濃厚な出汁となって溶け込んでいるのだった。これに、やはり吉野さんの丁寧なベースと、モランディの静物画を思わせる静謐感のある廣木さんのギターが絡んでいくと、しばしば至福で頬が動いてしまう。
中牟礼さんは高柳昌行、渡辺貞夫と同学年で(1932年度)、なんと、高柳と目黒のアパートで一緒に住んでいたことがあるのだという(正確には、毎日のように高柳が泊りがけで来ていた)。曰く、高柳は音楽的にたいへん大きな足跡を残した人であり、アメリカでも比肩するような人はいなかった、ギタリストの範疇を超えた音楽家であった、と。また、このような響きのいいハコができてよかった、と。
音楽とは人であるということを実感させてくれるライヴだった。
「もう40年くらい前のCDじゃない?」と、とんでもないことを。(本当は20年ちょっと前)
●参照
宮野裕司+中牟礼貞則+山崎弘一+本多滋世@小岩フルハウス(2013年)
内田修ジャズコレクション『宮沢昭』(1976-87年)(中牟礼貞則参加)
『銀巴里セッション 1963年6月26日深夜』(1963年)(中牟礼貞則参加)
松風鉱一トリオ@Lindenbaum(2008年)(吉野弘志参加)
廣木光一+渋谷毅@本八幡Cooljojo(2016年)
Cooljojo Open記念Live~HIT(廣木光一トリオ)(JazzTokyo)(2016年)
廣木光一(HIT)@本八幡cooljojo(2016年)