Sightsong

自縄自縛日記

『A Tribute to Miles Davis』

2014-11-06 07:26:43 | アヴァンギャルド・ジャズ

DVD『A Tribute to Miles Davis』(1992年)を観る。

それというのも、同じメンバーにより、亡くなったばかりのマイルス・デイヴィスに捧げたアルバム『A Tribute to Miles』(1992, 94年)を、公表された頃にずいぶん聴いていたからだ(もう手元にない)。この映像は、CD作品の収録より少し前の1992年7月2日に行われたスイスでのライヴである。

Tony Williams (ds)
Wallace Roney (tp)
Ron Carter (b)
Wayne Shorter (ts, ss)
Herbie Hancock (p)

当時、CDについて「新鮮味がない」との批判があったと記憶しているが、まあ、フォーマットやスタイルについては、実際にその通りである。いつまで良き時代の勢いを引っ張り続けられるつもりかと思うのも無理はない。しかも、マイルスの代役は、単なるフォロワーにみえるウォレス・ルーニー。

しかし、こうしてあらためて観てみると、かれらの腕前と存在感は途轍もない。まだ40代だったトニー・ウィリアムスのドラムスは、冗談のような重さと速度とを惜しみなく見せつけており(この数年後に亡くなるなんて誰が想像しただろう)、また、ウェイン・ショーターの魔界サックスも、ハービー・ハンコックの名人ぶりも、実に見事。普段はロン・カーターのベースを「ゆるゆる」だと嫌っているのだが、ここでのプレイは全体の方向を柔軟に操作しているようで悪くない。ルーニーだって煽られたせいか渋く堂々と吹く。

文字通りのスーパー・グループだったのだな。またV.S.O.Pなんか聴きなおそうかな、などと思ってしまう。

●参照
マイルス・デイヴィスの1964年日本ライヴと魔人
トニー・ウィリアムスのメモ
トニー・ウィリアムス・ライフタイムの映像『Montreux Jazz Festival 1971』
キャノンボール・アダレイ『Somethin' Else』


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