ひぐらしのなく頃に:もうループからは「卒業」しようよ

2024-09-13 17:22:29 | ひぐらし

 

 

 

 

You Tubeで突然こういった動画がお勧めに上がってきたので、ひぐらしの新しい企画でも始まったんかいなと思ったら、どうも「ひぐらし業」など過去の掲示板のまとめが今頃出てきたものらしい。まあ鷹宮リオンのリングフィット動画(何かに捗るらしいw)が2年越しでリコメンドされたりもするから多少はね(・∀・)

 

ちなみに何で驚いたのかと言うと、そもそもコロナ禍の2021年にひぐらし卒が終わった時点で、「あ、これはもう作者はやる気ねーんだな」と確信していたからだ(まあ作品以外のXやらニコニコの配信やらは全く見てないので、あくまで作品からだけの印象だが)。

 

まず「ひぐらし業」「ひぐらし卒」と順序は逆転はしているが、ここから「卒業」を読み取るのは簡単だ(もちろん「業」は主人公が自分の犯した「罪」に気付くまでの話という意味合いもあるのだろうが)。

 

さらに言えば、ひぐらし・ひぐらし解では、ループという特殊環境を利用した生き残りの可能性模索には「決死の惨劇回避」という理由付けが存在していたのに対し、ひぐらし業・ひぐらし卒ではむしろ、自身のエゴのために他者の人生を弄ぶような話となっている。そう受け手に思わせる意図があることは、ループの苦しみを抱えた北条鉄平や鷹野三四をわざわざ描いている点からも明らかだろう(もちろん推理上のヒントであることは言うまでもないが、より俯瞰的に作品全体の描写意図として見れば、という話)。

 

このようなループを繰り返す行為の傲慢さ・罪深さを描いた上で、しょうもない動機付け(少なくともひぐらし・ひぐらし解と比較したら、その軽重は論じるまでもない)を提示して最後の最後はバトル漫画展開と、明らかに散々っぱら推理してきた視聴者のハシゴを外すような構成になっていることは明らかである。

 

つまり、ひぐらし業・ひぐらし礼というのは、前にも書いたように、「ひぐらしという作品を埋葬する物語」に他ならない。まあアレな言い方をすれば、「お前ら『駒』を使った二次創作で戯れてないで、作品を捨て外に出ろよ」とでも表現できるだろうか(もちろん余計なお世話やと拒否するのは受け手の自由)。

 

これはひぐらし卒の最後のシーンもそうだし、(自分は直接確認できていないのであくまで二次情報だが)他のひぐらし作品では、成人した部活メンバーたちは雛見沢に関係ない人間たちと結婚しているという展開(がある)らしい。「学園=世界」のような少年漫画的発想では、部活メンバーの誰とくっつくかということが問題になりそうなものだが、あえてその閉鎖的発想を否定して「外」の世界で繋がりを作っているというあたりも、作者の意図が伺い知れるように思うのは私だけだろうか(もちろん、ひぐらしの場合は「様々な世界線のうちの一つの可能性」という見方ができるので、これを「正史」のように扱っていいのかは疑問が残るが)。

 

まあひぐらし業・ひぐらし礼とも、端的に言えば「雛見沢=理想郷とみなす呪いの話」であり、その呪縛との戦い・解放という展開なので、そこからしても「クローズドな世界での関係性が幸せに繫がる」という発想を否定するようなマインドが根幹にあるのは驚くべきことではないだろう(そもそもひぐらしには解決編が元々なく、祟殺し編で終わっていたなら地方の旧弊が惨劇の大きな要因になっていたことは事実。それが後に解決編が追加されたことで「共同体の協力を得る」というポジティブな面が描かれた[描かざるをえなくなった?]がゆえに、部活メンバーとパートナーになることが幸福であるかのような印象を持ちやすくなっているだけの話だ)。

 

とまあそんな感じで状況証拠を取り上げていくと、ひぐらし業・ひぐらし卒がひぐらし世界の終焉宣言であることは、ほぼ間違いないと思われる(作者以外が勝手にあれこれ描く余地は一応残っているが)。まあループの否定なんかはそもそも賽殺し編でとっくの昔にやってるじゃんと思わなくもないが、ああいうささやかな補足編ではなく、よりいっそう明確な形で終わらせに来た、ということなのだろう。

 

以上のように考えて見ると、ひぐらしの作者が今のなろう系作品流行にも観察される一種の「内向き志向」や「コンサマトリー」の発想をどのように見ているかなどはとても興味を感じる部分だが、ともあれ冒頭の動画を見てかつての記憶が甦ったので、ちょっと記事にまとめてみた次第。


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