森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

バシクルモン(キョウチクトウ科)

2006年07月10日 | 自然観察日記
 今日は耳慣れない植物を紹介しよう。バシクルモン、これを知っている方はかなりの通である。写真撮って見ればなかなか愛らしい植物だから知られていないのが不思議だ。花の小ささから自然界ではほとんど見過ごされてしまうのだろう。もっとも分布がごく限られて見かけないといったほうが正確なのだが。新潟県弥彦山以北の海岸の草地に点々と北海道まで分布しているもので、基部がやや木質化する多年性草本だ。バシクルモンとはアイヌ語から来たとされるが意味は判らない。
 そのバシクルモン、もう25年以上も前に例のごとく挿し穂を試みて活着させた。以来我が家に居座って至る所から顔を出す。よほど気に入ったのか地下茎を蔓延らせなかなかの暴れ者。最近はかなりおとなしくはなったが、ひところせっせと引き抜いて個体数の調節をしたものだ。そんな性質がありながら自然界では風前の灯状態はどういうわけだろう。まだまだ見えない理由が沢山ある。自然というのはやっぱり面白い。