森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

鳳凰三山 その3 観音岳

2006年07月15日 | 風景
 薬師岳の山頂で風に吹かれていた。バテた身体には稜線を渡る風は何より勝るご馳走だ。ここでも、大きな岩の上でごろ寝。そうこうしているとヘリコプターが観音岳の直下にホバーリングを初め人を引き上げていった。後で山小屋の主人から聞いた話だと、滑落事故があったらしい。
 中高年の登山ブームといわれ、今回もそれを確認納得したのだが、足腰にダメージが来るとちょっとしたことでつまづいたりして事故になる。そんなことだったのだろうか。
 南アルプスは若者が来るのがいい。以前、私も20代に何度も足を運んでそれなりの経験を積んだが、この鳳凰三山は取りこぼしていた思いがあるので少々無理をした。南アルプスは深く険しい急峻な山体である。体力のあるうちに来るところが南アルプスだ。
 しかし、中高年に混ざって結構若者が入山していたのは嬉しい。若い女性もよく見かけた。北アルプスや立山で感じた中高年パワーはここではややおとなしい。

鳳凰三山 その2 薬師岳

2006年07月15日 | 風景
 三角点の表記は薬師岳2780m・観音岳2840m・地蔵ヶ岳2764m。青木鉱泉は1150mだから薬師岳へは約1600mもの高度を上がる計算になるのだが、登りだけということと全くの樹林帯で展望がないというのは、身体に堪えた。水場は全くない。
 薬師岳直下までようように辿り着いたところで大きな岩で大の字になって寝てしまった。
 泊まりは薬師小屋。2時過ぎに入って、即身体を横たえダメージを受けた腰の養生をする。それにしても南アルプスの山小屋は以前と変わらず素朴で質素だ。北アルプスの山小屋がロッジ風になったり広くて小奇麗になっているのに対して、全然進歩が無い。しかし、料金だけはしっかり取られるのである。

鳳凰三山 その1 地蔵岳遠景

2006年07月15日 | 風景
 予定していたことがキャンセルになったこともあって、俄かに登って見たくなった。運がよけれ天候も何とかなりそう。かねてからの憧れの未踏峰。思い立ってしまうと、全てがそこに集中し、事前準備はまるでないにもかかわらず思いつくまま必要と思われるものをザックに積んで、夜行で現地登山口まで走らせた。山梨県韮崎の山奥の青木鉱泉。付いたのが夜の12時近く。約6時間の移動。
 明けるのを待っての登山である青木鉱泉から薬師岳へ向かう中道ルート。簡単な案内には「最も薬師岳には近いルート」ということをそのまま理解し、南アルプスというのを侮ってはいけないことを忘れていた。自らの体力は往年のようなわけにはいけないことは承知していたが、登り8時間のアルバイトは近年にない。足腰にダメージを受けてなかなか一歩が踏み出せない始末である。
 ほとんど樹林の中の展望が利かない全くの登りコース。かなり上までカラマツの植林帯があって、それを過ぎるとオオシラビの幼木の樹林である。たった一ケ所地蔵岳が見える場所があった。明日にはあそこに登るのか、と写真を写した時点では元気があったのだが。