森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

オオチャバネセセリ(セセリチョウ科) 駒止湿原にて その3

2006年07月24日 | 自然観察日記
 そのセセリチョウの吸蜜の様子をアップした。よく見ると、花弁とガクの隙間から管口を花筒の奥にある蜜線まで伸ばしているように見える。これでは、キスゲにとっては何の恩恵もない。花筒正面から入ってもらって花粉まみれになって吸蜜してもらわないと受粉のためのご褒美の蜜が無駄になる。
 何処で覚えたのかセセリチョウ、面倒くさい受粉なんかに関わらず花の構造の弱点を見つけて蜜を横取りしていることになる。
 花は昆虫と共進化することでここまで発展してきたのに、これではその関係を維持できない。さて、次ぎに花はどのような手段を講じてこの厄介者を攻略するのだろうか。

*ユリ科の花は6枚の花びらがあるが、正確には内側の花弁3+外側のガク3の6枚構成になっている

ニッコウキスゲ(ユリ科) 駒止湿原にて その2

2006年07月24日 | 自然観察日記
 ニッコウキスゲは今が旬。しかし、ここは盛りが過ぎていて、残ったものをカメラに収める。一つの花は1日しか持たないが、次々につぎのつぼみが生長し咲くために結構花の時期が長い。
 花の基部にへばりついているのはオオチャバネセセリだろうか、セセリチョウの仲間がなにやら吸蜜しているようである。

ヨツバヒヨドリ(キク科) 駒止湿原にて その1

2006年07月24日 | 自然観察日記
 連休利用して福島県の奥会津にある駒止湿原を訪れた。尾瀬に比べ標高が低いせいで季節の進みは速いようだ。もうワタスゲは終わりを告げニッコウキスゲも僅かに残るばかりである。
 ここも長雨に翻弄されていて、木道は水が被って訪れる人もほとんどいなかったという。幸いこの日は雨も上がり足元を気にすることも無かった。木道をゆっくりと歩きながら、チョウやカミキリなどの昆虫が飛び交う湿原の花を観察することが出来た。
 ヨツバヒヨドリに訪れているのはミドリヒョウモンだろうか、ヒョウモンチョウの一種が盛んに蜜を吸っている。動物写真などあまり経験が無いのだが、それでも何とかカメラに収まってくれた。雪国ならヨツバヒヨドリはごく当たり前の植物で、野山にいけば直ぐに見つかる。しかし、花の時期が少し早い感がしている。自分のイメージの中では秋の花ということになっているのだが、ヨツバヒヨドリも気の早い個体があってもよしとしよう。