森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ヤナギラン群落

2010年08月05日 | 自然観察日記
夏の高原を彩る花にヤナギランがあります。ここ妙高高原の笹ヶ峰にもその花が見られます。人為的に作ったスキー場などの日当たりの良い草原に見られる花で、林や森の中にはあまり見られません。つまり、遷移という視点で見るとそこにあった植生が取り除かれて裸地化したところに生ずる植物で、草原から低木林に引き継ぐはたらきをする種ということになります。低地では普通この働きをする種はススキです。やや高地ではヤナギランもその働きをすると考えるといいでしょう。

ヤナギラン 花

2010年08月05日 | 自然観察日記
分類はアカバナ科。種が細長い鞘上の中に出来て、はじけると毛の沢山付いた細かな種子が出てきます。この葉なの後ろに種子が出来る部分(胚珠)が細長く付いていてさらに花軸が茎に付いているのが分かりますね。花を良く見ると雌しべがとても長いのことに気づきます。
それはそうと、沢山のヤナギランが咲く光景はいいですね。シラカバと一緒に夏の高原のイメージに組み込まれていませんか。