少々くたびれたギンリョウソウ(マルミノギンリョウソウ)です。花のピークはあるのでしょうが、長い期間にぽつんぽつんと林の中で見られます。沢山見られるのはブナが生える森かな。腐生植物ということですが、栄養を自ら作らず、また寄生して他の生物から吸収しないで落葉とか落枝などの分解した「腐植」を栄養源にするというやり方。キノコなどの「分解者」としての生態的地位を身につけた変わり者の一つです。もっとも自分自身では腐植を分解して栄養にする能力がなくて菌の力を借りているはずです(最近の知見ではベニタケの菌糸)。微細に見てくると奇奇怪怪な関係がいろいろな種にあります。種の多様性ということの奥深さをいまさらながら思い知ることが出来ますね。
たばこのキセルから来ているそうで、なかなかユニークな名前です。秋口から野山の林の周辺で見られます。いくつかの種がありますが、これは少し山地系のノッポロガンクビソウ。キク科でも舌状花がないので目立たない地味な存在です。それでも低地でよく見られるサジガンクビソウよりは頭花の色彩はあるほうです。特に匂いがあるわけでもなくて、ポリネーターにどうやってアピールしているのでしょうか。花粉を風で運ぶ風媒花に変身しつつあるのかもしれません。