森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

チョウジタデの水中根

2012年10月12日 | 自然観察日記
水辺の浅瀬に白いひも状のものが何本も浮き上がっていました。それは土手際から水深10cm前後の浅瀬に列を成して何方向にも伸びています。白いひも状のものは頼り気のないフワフワした感じですから、そっとそれが出ている水中土の中に手を入れて掘り起こしてみると、一列に繋がっていることを確認しました。付け根の方を調べても、あいにく際まで草刈が施されていて、どこから出ているのかがはっきりしない状態でしたが、同じようなものが出ているところを調査するとチョウジタデの根という結論になりました。チョウジタデは水草というわけではないのですが、湿り気の強いところを好む種です。こういう環境では酸素不足になると考えられますから、水に浸かってしまった根はこのようなひも状のものを作って空中か水面近くで酸素を取り入れているのではないかと推察されます。

チョウジタデ 実

2012年10月12日 | 自然観察日記
水田雑草の一つで日本各地に見られます。史前帰化植物ではないかといわれている種です。花は夏頃から良く見られますが、これは果実。「丁字(ちょうじ)」といういわれがなんとなく分かりますね。

ミズオトギリ 実

2012年10月12日 | 自然観察日記
今年移入した種にミズオトギリもあります。あいにく花の時期の写真を撮り逃してしまいましたが、これは果実の状態です。むしろこの頃のほうが存在感があるかもしれません。花は小さな桃色の花。来年は確実に撮影しないといけませんね。これも、歓迎したい種の一つで水辺を賑わす一つになることでしょう。