森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

タイリンヤマハッカ

2012年10月27日 | 自然観察日記
今月の中旬頃までは見ごろで美しい青い色の群落がみられました。同じ時期に花を見せるキバナアキギリがやや乾燥気味のところが好きなら、この種はやや湿り気の強いところを好みます。山裾の小川のヘリなどにしばしば大きな群落がありますね。

タイリンヤマハッカ 花

2012年10月27日 | 自然観察日記
花をアップで撮ってみました。覗いているのは雄蕊で4本あるのですが、1本は奥の方にあって見えないようです。うち2本が長いのがわかりますか?シソ科の花で大きさが1~1.5cmはありますから比較的大き目な花ですね。花色はしっかりとした青色ですからたくさん咲いていると見ごたえがあります。

タイリンヤマハッカ 葉

2012年10月27日 | 自然観察日記
実はこのグループは変異の多い種で各地に生育している種にいろいろな名前が付けられて分類されています。基本種はイヌハッカという種ということになっていて、この種の葉が絵のように先端の部分が切れ込んでいて亀のしっぽを思わせる種をカメバヒキオコシと呼び(太平洋側にある)、このカメバヒキオコシより大型の花をつける日本海側に分布している種をタイリンヤマハッカと読んでいます。大した違いではないと言えばいえるのですが、扱う人の立場や用途で使い分けをすればいいのではないでしょうか。「ハッカ」といってもハッカ臭はしません。