森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ニワウルシ

2017年12月01日 | 自然観察日記
別名シンジュ。明治に大陸から日本に入ってきたといわれている落葉高木。新潟でも里に近い河川沿いや道路沿いなどに野生化しています。先日、ある人から質問がありました。「裏山にクルミと思っていた樹が秋に赤く燃えるような花を咲かせるものがあるがあれは何ですか?」と。かなり悩みましたが、いろいろな話を聞いて思いついたのがこのニワウルシ。花ではなく果実なのですが、一時はオレンジ色をして赤い花が咲いたように見えなくもない気がします。丘陵公園エリアには確認できていませんが、少し離れた道路沿いにはたくさん自生しています。
これは、南魚沼の坂戸山山麓に出向いたときに見た熟した果実を沢山つけているニワウルシの樹です。

ニワウルシの葉

2017年12月01日 | 自然観察日記
奇数複葉はクルミの葉と似ていると言われれば確かに似ています。小葉の枚数がかなり多いのですが。坂戸山周辺にも最近目立って増えているのだそうです。カタクリが群生する山麓部に得体のしれない樹があるが見てほしいといわれて行ったのですが、あまり成長しないうちに除去したほうが良いとアドバイスしました。本来の雑木林の高木はブナやミズナラですから、こういう樹に置き換えていった方が自然だと思います。

ニワウルシの葉痕と冬芽

2017年12月01日 | 自然観察日記
坂戸山の山麓部はほとんど民有地。整備するにもいろいろな問題がありうまくいかないのだそうです。観光資源の多いエリアでちょっと工夫すれば数倍にも魅力的な場所になるのですが、樹1本切るにも地権者の承認が必要で経費とか処理をどうするとかで問題が出てきてなかなか先に進めないと自然を愛する人がこぼしていました。