森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ブナの葉脈を見る

2017年12月06日 | 自然観察日記
ブナの葉脈についてちょっとした話題がありました。普段気にもしていない点で、葉脈が終わるところが葉の縁の凹部が普通の葉の形質ですが、そうでないものがあるというのです。この個体は普通の葉です。

葉脈が凸部で終わる葉

2017年12月06日 | 自然観察日記
葉脈の終わりが葉の縁の凸部になっている個体があるというので、見に行きました。そこは八海山のロープウェイの山頂駅から少し行った場所。低木のブナ林一角にその個体がありました。1本というわけでなく複数の個体があり安定した形質というわけではないようですが、たしかに凸部に葉脈が入っています。

葉脈が凸部で終わる形質を持つ個体

2017年12月06日 | 自然観察日記
同行した人の話ではこのブナを「古代ブナ」という言い方があるとのこと。初めて聞く言葉でネットで調べてみても該当するような説明に行きつきません。他の形質は差はなさそうですからブナでいいと思うのですが、一種の個性と理解することにしました。この例のように、どんな植物でも同じ種と扱われるものにも実は形質の変化幅は結構あるという認識を持っていた方が良いと思うのです。
違いで名前を付けることは時として重要ですが、あまり細部の違いで名前を付けて区別しようとすると時に混乱を引き起こすことが多いように思います。

この葉も凸部で葉脈が終わる

2017年12月06日 | 自然観察日記
凸部に葉脈が入る葉を持つ個体は狭い範囲で複数の個体で確認しましたが、かなり不安定な形質のように思いました。葉によっては凹部と凸部にで終わるなど首をかしげるようなものまであります。