森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

オクモミジハグマ

2017年12月21日 | 自然観察日記
ときどき登場する花です。華やかな種ではありませんが、いかにも山野草という感じが好きです。品のある美しさを持っています。以前の認識ではオクモミジハグマは東北以西の日本海側の山地に生育する種というものでしたが、山形の蔵王山塊に自生しているのが気になりました。モミジハグマという変種があります。この種は東北南部から西日本にかけて温帯林下に生育するという記述を見つけて、この種かな?という思いを持ちましたが葉の形態が当てはまりません。改訂新版の日本の野生植物(平凡社)には「日本海側に生育」という記述はありません。東北南部から九州北部に生育とありますから、オクモミジハグマで落ち着きました。山形の蔵王が東北南部に入るかどうかは微妙なところですが、日本海側に限定されないことを確認でき新しい認識になりました。

オクモミジハグマの葉

2017年12月21日 | 自然観察日記
葉の切れ込みが浅い葉です。モミジハグマはもっと深く切れ込んでいる葉であるということになっています。ネット上にもいくつかの写真がありましたが、かなりばらつきがありそうです。きっと探せばオクモミジハグマとの境がはっきりしなくなるのではと勘ぐってしまいます。モミジハグマという種をあまり気にしなくてもいいのかもしれません。ただ、「オク」があるのですか元になるのがないのも困りますからモミジハグマも市民権を与えておきましょう。

オクモミジハグマの花

2017年12月21日 | 自然観察日記
山形市野草園に自生している花も新潟の丘陵公園の花も同じように見えます。葉も同じようですから、同じオクモミジハグマです。この種は自然界にそんなにたくさん生育している種ではないと思いますが、点々と広く生育していることになります。