姥が岳の斜面には夏スキーができるほどの大きな雪渓が広がっています。この雪渓の周辺はようやく春が訪れてきた段階ですから、早春の花が見られます。雪渓と雪渓の間小沢がある付近にベニバナイチゴの大きな群落があってまさに花盛りでした。
私がベニバナイチゴの花に最初に出会ったのは20代の後半植物調査の一環で飯豊山塊の一つ大日岳を目指して磐越西線の津川から実川(さねがわ)という川沿いに登って行ったときです。3日目でようやく大日岳下の平らな場所に着いてここでテントを張って一晩を過ごすことになったのですが、水を汲みに小沢を降りたところにベニバナイチゴが咲いていたのです。キイチゴの仲間に赤い花はとても珍しく思ったものでした。そういえばベニバナイチゴには枝に棘が無いのですね。