登山する人は一度や二度はこの実を口にした経験があるのではないでしょうか。とにかく美味しいイチゴです。国立公園内では採集できない昨今ですが、もう40年も昔の話で会津の三ツ岩岳に登った時に岩場で出会ったノウゴウイチゴが最初の出会いです。この時は落雷がひどく樹林帯から低木帯に出れなくてかなり難渋した思いがあります。待つ間、小さな荒地に実っていたノウゴウイチゴの味は忘れがたいものです。
ノウゴウイチゴは荒地にしばしば大群落を作ります。奥地の林道の路面にはびこっていたりします。姥が岳ではリフトの斜面に延々とノウゴウイチゴが生育していました。小石などが露わになっていて土壌がほとんど発達していません。まさにノウゴウイチゴが好むような環境です。夏場はリフトは低い位置で運転しています。リフトに乗って地面に広がるおびただしいノウゴウイチゴの個体とそこに育つ小さな赤い実が手に取るように見られました。