森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ニッコウキスゲ(ユリ科) 駒止湿原にて その2

2006年07月24日 | 自然観察日記
 ニッコウキスゲは今が旬。しかし、ここは盛りが過ぎていて、残ったものをカメラに収める。一つの花は1日しか持たないが、次々につぎのつぼみが生長し咲くために結構花の時期が長い。
 花の基部にへばりついているのはオオチャバネセセリだろうか、セセリチョウの仲間がなにやら吸蜜しているようである。

ヨツバヒヨドリ(キク科) 駒止湿原にて その1

2006年07月24日 | 自然観察日記
 連休利用して福島県の奥会津にある駒止湿原を訪れた。尾瀬に比べ標高が低いせいで季節の進みは速いようだ。もうワタスゲは終わりを告げニッコウキスゲも僅かに残るばかりである。
 ここも長雨に翻弄されていて、木道は水が被って訪れる人もほとんどいなかったという。幸いこの日は雨も上がり足元を気にすることも無かった。木道をゆっくりと歩きながら、チョウやカミキリなどの昆虫が飛び交う湿原の花を観察することが出来た。
 ヨツバヒヨドリに訪れているのはミドリヒョウモンだろうか、ヒョウモンチョウの一種が盛んに蜜を吸っている。動物写真などあまり経験が無いのだが、それでも何とかカメラに収まってくれた。雪国ならヨツバヒヨドリはごく当たり前の植物で、野山にいけば直ぐに見つかる。しかし、花の時期が少し早い感がしている。自分のイメージの中では秋の花ということになっているのだが、ヨツバヒヨドリも気の早い個体があってもよしとしよう。

カニコウモリ(キク科) 樹林帯で その9

2006年07月23日 | 自然観察日記
 花が咲いていたわけではないが、深山でしか見かけないものとして取り上げてみた。カニコウモリという名もなかなか面白い。キク科にはコウモリソウ属という一群があって、これもその一つなのだが、葉の形が確かに蟹の甲羅に似ている。そんなところからカニコウモリの名が付いたのだろう。
 さらに、オオカニコウモリというのもあるが、こちらは蟹の甲羅には少し似ていない。

シモツケ(バラ科) 樹林帯で その6

2006年07月21日 | 自然観察日記
 庭木としてよく植えられている。園芸種を誰かが植えたのかと錯覚するが、その逆で野生の種を全く改良や選抜しないでそのまま庭木にしたのだろう。こんな山中でみるとむしろ奇異な感じさえする。それくらい完成度の高い野生種ということになる。
 鳳凰滝の崖や南精進滝の崖に見られたが、標高の高い鳳凰滝の個体はまだつぼみで、それより300mは下っただろうか南精進滝の個体は写真のように花盛りであった。

モミジカラマツ(キンポウゲ科) 樹林帯で その5

2006年07月21日 | 自然観察日記
 カラマツソウの仲間で気づいたのが、ミヤマカラマツとモミジカラマツ。葉の形で容易に区別できる。モミジカラマツは水が好きだから沢沿いに出てくる。越後の山地でも沢山あってむしろ普通種であるが、鳳凰山塊では鳳凰小屋の下で見かけた程度で、むしろ少ないようである。それに反して、ミヤマカラマツは標高1700mくらいだろうか、上部ではしばしば出現する。

ケウツギ(スイカズラ科) 樹林帯で その4

2006年07月21日 | 自然観察日記
 越後のタニウツギと似たような生態だろうか。沢沿いに見られたが量的には多い感じがしない。あいにく川の対岸に生育していて近づいて観察が出来ないため、望遠にしてカメラに収めた。花の色もタニウツギに比べ濃色の感じである。正確でないが、この地域に生育するウツギはケウツギとあった。

シナノナデシコ(ナデシコ科) 樹林帯で その3

2006年07月20日 | 自然観察日記
 青木鉱泉上の川原に咲いていた。艶やかな姿は十分観賞価値が高い。荒地が好きで、ごろごろした石で覆われたようなところによく出てくる。そういえばナデシコの仲間は荒地が好きなのが多いような気がする。土壌条件はよくないが日当たりがよくて競争相手が少ないところがお気に入りのようだ。

サワギク(キク科) 樹林帯で その2

2006年07月20日 | 自然観察日記
 水場の近くに咲いていた。主に太平洋側の山地帯に分布するのだろう、越後で見たことが無い。越後も広いから、どこかにあるのかもしれないが僕の動き回った範囲では出会ったことがないということだ。それほど珍しいものでもないから、もし越後にないとしたなら、またその理由が知りたくなる。

オガラバナ(カエデ科) 樹林帯で その1

2006年07月20日 | 自然観察日記
上り下りの樹林帯で沢山の植物とであった。
オガラバナ、カエデの仲間で久しぶりのご対面。他にハウチワカエデやミネカエデなどいくつかのカエデにもであったが、本当に久しぶりの感がした。越後にもあるが、里山にはないのでなかなかお目にかかれない。
 別名ホザキカエデともいい、穂状の花が特徴である。丁度、樹林帯の切れ目にこの樹がありその向こうに地蔵岳が遠望できたところだから、このロケーションは焼きついてもう忘れないだろう。

タカネグンナイフウロ(フウロソウ科) 鳳凰山の高山植物 その10

2006年07月19日 | 自然観察日記
 「グンナイ」とは山梨県の郡内地方のことだそうだ。グンナイフウロというのもあるそうだが、これはタカネグンナイフウロである。かなり毛深い。それが決め手である。色具合も濃い。
 フウロウソウの仲間の代表はゲンノショウコである。道端の雑草として扱われるが、花を見ると納得するだろう。しかし、花の形は同じでも大きさや全体の姿で、さらに高山にあることで格段の扱いを受けているのがグンナイフウロウだ。

ツマトリソウ(サクラソウ科) 鳳凰山の高山植物 その9

2006年07月19日 | 自然観察日記
 「ツマ」は「妻」でなく「褄(つま)」のこと。花弁の端が桃色に縁取られることから「ツマトリソウ」といわれる。この花を彼女に差し出して「妻をめとる」のほうがロマンがあっていいのだが。実際、山頂付近のダケカンバの下草として群生している場所があって、緑の絨毯に星型の白い花がちりばめられていて、まるで星空を見ている気分になってしまうところがあった。こんなところに彼女を連れてくれば「妻取り草」の方が似合っているとも思う。
 必ずしも高山植物というのでなく、比較的標高の低いところから顔を出した。しかし、山頂部の草付きで見るのが心に残る。

キバナシャクナゲ(ツツジ科) 鳳凰山の植物 その8

2006年07月19日 | 自然観察日記
 色づきは「黄色」というには程遠いが、まぁ個体変異の範囲内。結構花咲いていて、まずまずの見ごろであった。もう一種ハクサンシャクナゲもあるのだが、花を確認できなかった。

ミネウスユキソウ(キク科) 鳳凰山の高山植物 その7

2006年07月19日 | 自然観察日記
 日本にはウスユキソウの仲間が比較的多い。しかし、分布は限定的なのが多いがこのミネウスユキソウはどちらかというと分布範囲が広い。ヨーロッパの「エーデルワイス」というと脚光を浴びるのだが、どちらかというと地味だから見過ごされそうである。