森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

カエンタケ

2012年10月26日 | きのこ・菌類
色鮮やかなこのきのこ何年か前に見附で大きな事故を起こし一躍有名になったキノコです。猛毒キノコとしてすっかり知れ渡ったものですが、実物を見るのはそれほど頻繁ではありません。食べることを意識しなければ実に面白いキノコですし、また綺麗なキノコです。写真の個体は棍棒状ですが上部で枝分かれをしているのもあって形はやや不定形です。紅色は濁りのないものです。しかし、このきのこを触ったら手を洗うことを心がけましょう。人の命を奪うほどの猛毒ですから。

オオゴムタケ

2012年10月26日 | きのこ・菌類
オオゴムタケです。色が黒いためちょっと気づかないキノコです。ゴムというくらいですから触ると弾力が感じられます。内部は寒天状で若いうちは食用になるとか。食べたことはありませんが味というより歯触りがいいかもしれません。胞子はこの上部の面から出すのだそうですが確認したことはまだありません。大きさ径3~4cmと思いのほか大きいのもです。

ユウガギク

2012年10月25日 | 自然観察日記
秋は野菊の多い季節です。似た種類が多くて実に紛らわしいものですね。公園の里山にはユウガギクが多くみられノコンギクやヨメナは見かけません。しかしこれらが混在していると何が何やら・・・という状態になってしまうこともあります。公園を訪れる方がノコンギクがあると言われてドキッとしましたが、どこを探してもありません。たぶん、このユウガギクと間違われたのかなぁ?僅かに紺色を帯びています。

ノコンギク

2012年10月25日 | 自然観察日記
ノコンギクはほぼこの色です(白い花もあるそうですが新潟では気づいていません)。色はヨメナに似ていますから、ユウガギクとの差を色で判別できても今度はヨメナとの区別が問題ですが、こちらは葉を触ると明確にわかります。ザラザラしているのがノコンギク、ヨメナは柔らかくつるつるした感じですね。

ノコンギク 果実

2012年10月25日 | 自然観察日記
ノコンギクと他との区別の決め手は何と言っても果実が一番ですね。花後堅そうな毛がたくさん出てきてご覧のとおりです。ユウガギクやヨメナは決してこのような実にはなりません。

ヤブツルアズキ花

2012年10月24日 | 自然観察日記
奇妙は花をしているのはヤブツルアズキ。豆さやの実をつけますからマメ科と分かりますが、マメの典型的な花「蝶形花」とは程遠い代物です。なんでこのような形を選んだのでしょうね。「進化」というのはもっと整然とした方向に進むのではという考えを否定する事例でしょうか?どこにでもある種ですが不思議な種なのです。こんな形でも訪れる虫はいるようですよ。

ミヤコグサ花

2012年10月24日 | 自然観察日記
典型的な「蝶形花」をした種が目に付きましたので撮影したのがミヤコグサです。色もヤブツルアズキと同じ黄色。刈り払いに強い種ですから道路の際の草刈後地に見られ、ヤブツルアズキはその背後の草刈をしない場所に他物に巻きついています。人為的作用と生活する場を違えている2種のマメ科植物、花の色が同じなのに形状や生態の差異が面白いなぁと思いました。

アイ(タデアイ)花

2012年10月23日 | 自然観察日記
「藍」の元になる種です。タデアイといいますからタデ科の花そのものですね。タデ科の花の多くは小さいものですがどれもとても愛らしく素敵な花たと思います。実はタデアイの花を見るのは今年が初めてで里山フィールドミュウジアムの古民家前の畑で栽培されているものを撮影しました。これを使って藍染のイベントをおこないました。

アイ(タデアイ)

2012年10月23日 | 自然観察日記
葉は傷をつけると青みがかってきます。染料に使われるあの「藍」を想像できますね。ところで、越後の山にも「ヤマアイ」という種が自生しています。こちらも染料として利用されるようでやはり青く染まります。手がけたことはありませんが草木染のよい素材になります。サイは日本には自生していません。また、ヤマアイはタデ科ではなくトウダイグサ科の種で植物としては全く別の系統です。

赤ソバ

2012年10月23日 | 自然観察日記
花修景にと今年から赤い花のソバが栽培されています。赤ソバですね。品種は「高値ルビー」というのだそうですが、実際咲いて見ると写真で見る色具合とかなり違っていて、桃色です。やや物足らない景観ではありますが、一つ一つの花はなかなか味わいがあり、これはこれで魅力がありますね。寒暖の差が大きくなると赤味が増すのだという業者の話、これからに期待しています。チベットなどにある種が来ているようです。あいにくソバの実としての収穫は期待していません。収量は普通のソバに比べると1/5以下になると業者の方が話されていました。

ミゾソバ 花

2012年10月23日 | 自然観察日記
「ソバ」つながりでもう一種。これはミゾソバです。やっかいな雑草の一つですが、一斉に咲き出す花を見ているとこれもいいなぁと思います。性質は強く湿潤な場所ならあっという間に広がってたちまち占領してしまいます。資源種として大切にしている花がある場所にはびこって仕方ありません。取り除くのになかなかの手間がかかるのです。それならば美しい花なのですからこれを大規模に育てたらと考えるのですが、草姿が美しくないのが印象を悪くしていますね。

ヌルデの果実

2012年10月22日 | 自然観察日記
これは何でしょう?表題の通りですが、果実に付着している白いものは何でしょうか。実はこれは「塩」です。果実の表面に根から吸収した塩分が多量に分泌されているのです。舐めてみると確かに塩辛く「塩」であることがわかります。もっとも、そのほかの成分も含まれているので純粋に塩辛味だけでなくピリッとしたものを感じます。アイスプラントというのがスーパーなどで流通し始めていますからさほど珍しくもないと思いますが、塩分を排出する性質を持つものが自然界にあるということが面白いですね。

ヌルデの葉の色付き

2012年10月22日 | 自然観察日記
ヌルデはウルシの仲間。かぶれなどあまり起きない種ですが、紅葉は他のウルシ科と同じく赤く色付きます。
話は変わりますが、ヌルデは里山に極普通に生育している種なのですが、今年はその樹が枯れているのをよく目にしました。葉を展開した後に立ち枯れ状態になっているのです。ナラ枯れやマツ枯れという現象が日本全国で起こっていましたが、ヌルデ枯れという現象が生じるのでしょうか・・・。

キバナアキギリ

2012年10月21日 | 自然観察日記
秋の里山の代表的な花ですね。里山フィールドミュージアムではツリフネソウと肩を並べる存在です。そろそろ花も終わりですが、水はけのいい場所には一面に生育していて、ツリフネソウが湿った場所に生えるのとは対照的です。ちょうど水分条件で住み分けをしているようですね。ところでこの株実は白色の花を咲かせているのです。純白ではないのですが、白い花です。そうすると「シロバナキバナアキギリ」ということになるのでしょうか。ちょっと愉快ですね。園内唯一の個体を見つけました。


昨日掲示した花の名前:
1.ヘラオモダカ(オモダカ科)
2.コナギ(ミズアオイ科)
3. ミョウガ(ショウガ科)