森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

クロモ 雄花拡大

2013年11月18日 | 自然観察日記
拡大とはいっても細部がわかる訳でもないのであまり意味がないのかもしれません。この中に花粉がありそれを入れる袋(葯)が見られるはずですが分かりませんね(写真を拡大すれば見られるかというのは甘い考えでした)。葉の感じはオオカナダモとよく似ていますが花を見ればその違いがはっきりします。大きさが極端に違います。雌花もあるはずですが今回は見つかりませんでしたから、確認したら載せることにしましょう。

ミヤマウメモドキ

2013年11月17日 | 自然観察日記
帰り道、湿地を取り撒く雑木林の一角に赤い実を付けている灌木が沢山自生しています。何だろうかと近づくとミヤマウメモドキでした。この種は初めて認識する種でモチノキ科の種です。それにしても驚くほどの実の付き様。実にすばらしい!確かに実の付き方はアオハダなどのモチノキ科の実の付き方に似ています。
今年は新しく出会う種が結構多く、それも私の活動範囲といっていいほどの近い場所です。結構山歩き野歩きをしてきたつもりでも訪れていない場所も多く見逃してきた種がいかに多いかが改めて認識されました。シダ植物など元々苦手な種は深く追及してきていませんからごく浅い知識しかありませんが、森林インストラクターと名乗る以上は知らないでは済まされない知識がまだまだ多くあります。道半ばですね。

ミヤマウメモドキ 実

2013年11月17日 | 自然観察日記
おびただしい赤い実が実っています。とても綺麗です。とはいっても誰も気づいてくれない場所にあるのでもったいないの一言。せめて私一人心行くまで鑑賞させてもらいました。傘をさして草やぶをかき分けての鑑賞です。見事です。至福のひとときですね。
ミヤマウメモドキ、分布を調べて再び驚きです。県南部にはほとんど採集されていなくて「植物同好じねんじょ会」が編集出版した新潟県分布図集によれば、今回私が確認した地点が県内の分布では魚野川沿いでは最南端、上越の鵜の池に次ぐ南の自生地でした。しかし、新潟の女池や鳥屋の潟では採集された記録が残っています。概して県北に偏った分布をしている種であることがわかりました。

U字溝にしがみつくミクリ

2013年11月16日 | 自然観察日記
こんどはミクリです。この種も貴重になりました。探そうとしても探せない種です。わずかに生き残っていたこの小川。さらに生育が困難になっています。近いうちに「小川の掃除」という名目で一気に除かれる可能性があります。

ミクリの実

2013年11月16日 | 自然観察日記
実からクリを連想出来ることから名づけられたものでしょう。「水栗」。味のある命名です。しかし、この株は結実している種子が少なくて、「栗のイガ」にしてはみすぼらしい状態。何が原因なのでしょうか?育っている環境に問題があると考えた方が正しいようです。ここで絶滅させるよりはと考え3株保護することにしました。

U字溝にしがみつくコウホネ 1

2013年11月15日 | 自然観察日記
実はザゼンソウよりコウホネの様子を見に来たのです。数年前はこの小川は自然な流れでコウホネの大群落が形成されたいました。その他の水草もいろいろあってザゼンソウと並んで貴重な自生地でした。それが、今では悲しいほどの状況です。それでもU字溝のつなぎ目などにできる土溜まりなどにしがみついているコウホネを見つけその健気さに感激です。この個体は水中葉しかなく水上葉はまだ持たない個体です。

U字溝にしがみつくコウホネ 2

2013年11月15日 | 自然観察日記
U字溝のサイズが異なる部分があって流れにむらができているところにはそれでも大きく育ったコウホネが自生していました。花が咲き実を付けています。この水路がどこまで行くのか不明ですがこの近辺にはもう生育出来る余地はなさそうですから、種子を遠くに運んで自生できる場所が見つかるといいなぁ感じました。かつての素晴らしい自生状態を目にしていますからこの変貌には落胆させられます。残念です。

ザゼンソウ群生地 秋

2013年11月14日 | 自然観察日記
県内最大のザゼンソウの群生地として知られる魚沼の原虫野。たまたま通りがかったので、どんな様子か雨が降りしきる中傘を差しながら散策してみました。向こうにはヨシが生い茂り、手前はミゾソバやツリフネソウが繁茂していたようでうっそうとした草原になっています。2~3haはあるのではないかと思われる草原、というより幾分乾燥気味の湿地です。この脇に流れる小川がコンクリートのU字溝に置き換わっていたのにはがっかりでした。

ザゼンソウの冬芽

2013年11月14日 | 自然観察日記
湿地ですから場所によってはかなり足場が悪く、足元に気を付けながら少し踏み込んでみました。生い茂る草をかき分けて除くとすでにザゼンソウの芽が出ています。雪が消えると同時に花が咲くわけですから秋にはその準備が完了していなくてはなりません。覆いかぶさる草が雪よけのマントみたいになって冬は暖かいのではないかと思います。上を覆う草も次第に朽ち果てますから、春に芽が伸びるのに何の障害にもなりません。ふっくらした芽は花芽で、ほっそりした芽は葉芽なのでしょう。

オオニガナ

2013年11月13日 | 自然観察日記
悠久山のひょうたん池の石垣の隙間からオオニガナが生育していました。オオニガナは絶滅危惧種に指定されるほどの激減している種で、大変貴重なもの。足元の池の中には厄介者のオオカナダモ、池の石垣には貴重なオオニガナ。この対比がとても面白く感じました。1mにもなる大型の草本で山地の湿地にまれに自生する種とされます。

オオニガナ 若い果実

2013年11月13日 | 自然観察日記
花は黄色の舌状花が目立つやや大きな花。すでに、咲いている花は無くてみんな種子をはぐくんでいる状態。まだ熟していませんから採集して播種しても発芽は望めないようですからそのままにしておいて、もうしばらくしたら採集し発芽を試みてみようかと思います。一株だけですから全て「しいな」状態の可能性もあります。貴重な種、発芽し育てることが可能なら里山の片隅で保護することも考えてみようかと思います。(丘陵公園の野生ゾーンのどこかに自生している可能性もあります。まだ踏み込んでいないエリアも存在するのです。)

オオカナダモ

2013年11月12日 | 自然観察日記
厄介な帰化水生植物(日本の本来の生態系を脅かす存在)といわれるオオカナダモが悠久山のひょうたん池にびっしりはびこっています。ちょうど花盛りの時に遭遇しカメラに収めることができました。似た種にクロモがあります。両種の区別は葉だけでは簡単に区別できませんが花の大小で見極めます。