森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

オオカナダモ 雄花

2013年11月12日 | 自然観察日記
外来種で雌雄異株です。日本には雄株のみしか入っていないとのこと。ここに自生する株はすべて雄株、当然花はすべて雄花になります。そうであっても無性的に栄養繁殖する能力がすさまじくため池などを覆い尽くすことはしばしばあるそうです。
丘陵公園の里山フィールドミュージアムに池がいくつか作られましたが、オオカナダモが侵入したかと疑ったことがありました。しかし、今のところその形跡はなく、疑った種はすべてクロモでした。しかし、クロモも厄介なほど繁茂していて、育てたい種の被圧植物になっていて、湿地管理の難しさに直面しています。

水から引き揚げたオオカナダモ

2013年11月12日 | 自然観察日記
池に手を突っ込んでオオカナダモを引き上げてみました。雄花には20cm以上はあろうかという長い花柄が付いています。すでに咲き終わったものがあり(花の左側)、水中に沈んでいても朽ち果てていません。もう役割が終わったはずなのですが・・・。

ミヤマウズラ 葉

2013年11月11日 | 自然観察日記
里山の尾根に昔からの里道があります。そこを利用して今年トレイルランのコースを整備し大会を催そうという計画があります。夏場、道上の踏まれそうな貴重な種はボランティアの手を借りて道奥に避難させましたが、再度確認にために歩いた折に安全な位置に生育していたミヤマウズラです。結構たくさん自生していましたから、犠牲にならないようにしっかり保護していくつもりです。何株価は増殖のために持ち帰りまた再び安全な場所に戻します。

ミヤマウズラの葉の文様

2013年11月11日 | 自然観察日記
ミヤマウズラは葉の美しさが大きな特徴です。瑞々しい葉で何とも言えない美しい文様。10月の姿が最も美しい季節かもしれません。ミヤマウズラは今まで利用していた雑木林の山道を利用しなくなると道上にたくさん生えていることが良くあります。ほどほどに荒れたあまり藪にならない日陰が好きな野生ランです。

カラスアゲハの幼虫

2013年11月11日 | 自然観察日記
散策の途中同伴したがカラスアゲハの幼虫を見つけました。10月半ばですからそろそろ蛹化してもいい頃ですが、見つけた幼虫は何とも心もとない姿で痩せこけている感じです。サンショウの小さな木にいたのですが十分な栄養がとれていない様子。これからせっせと食べても立派な個体になれるかどうかあやしいと詳しい人の話でした。今年は比較的暖かいせいで季節の進み具合が遅いことは確かですから、「例年」という考えは捨ててこのカラスアゲハ君の頑張りに期待しましょう。

イヌガンソク 胞子葉

2013年11月10日 | 自然観察日記
大型のシダ植物です。山野を散策すると大きな枯葉状態の胞子葉が目につくのですが、緑色をしている胞子葉に気づくことがなかったので新鮮な面持ちで観察しました。秋に熟すのですね。やがてこの胞子葉から多くの胞子が旅立ちます。イヌガンソクの胞子葉は枯れた後も丈夫で雪にも耐えて翌年に見られますから、この枯れ姿が 脳裏に焼き付いているようです。

エノキグサ

2013年11月09日 | 自然観察日記
ごく身近に自生しているのにあまり理解されていない種の一つでしょうか。先日同じ森林インストラクターの仲間と散策した時に気づいたことですが、自然豊かな奥山の植物はよく理解している人でも都市や家の周りのごく普通の種を理解していない人が案外いるようです。最近の帰化植物などはなかなか分からないのは当然のことですが、古くから日本に来た種や田畑の周りに生活している里地・里山の種は分かってあげる必要があります。

エノキグサ 雌花

2013年11月09日 | 自然観察日記
雌花といっても花本体でなく雌花に付着する苞葉です。それでも、苞葉に包まれた柱頭を持つ雌花がかろうじて見えるようです。トウダイグサ科に分類される種ですが、雌花の花序の脇に雄花の花序があったはずですがこの季節はすでに落ちた後で確認できません(一年草)。

ヘビ 二題 カエルを飲み込むシマヘビ

2013年11月08日 | 自然観察日記
里山で活動しているといろいろな動物に出会います。ヘビもその一つですが、今年はあまり多い感じではありません。作業している脇にいるのでしょうが、気づかないというのが本当のところでしょうか。このシマヘビも脇にいた人が気付いて教えてくれたものです。アカガエルの飲み込もうとしているのですが、私たちに気づかれ咥えたまま隠れようとしていましたから枝や落ち葉などを取り払ってカメラに収めました。それでももっといいアングルをと追いましたからカエルを離して逃げてしまいました。食事の邪魔をしてしまって悪いことをしたようです。ゴメン!(カエルの方はすでに息絶えていました)

ジムグリ

2013年11月08日 | 自然観察日記
大きなジムグリ君です。園路を横切ろうとしていて私とばったり遭遇。あわてて踵を返すように元の方に逃げようとしています。長さおよそ1mはありました。あまり、ジムグリには出会わないのですが見かけても小さな個体が普通でこれくらいの大型の個体に出会うのは私は初めてです。このフィールドミュージアムの環境はエサが多く敵も多くなく生活するには良い場所なのでしょうか。

ナラタケ

2013年11月07日 | きのこ・菌類
越後では定番のナラタケです。通称「あまんだれ」。越後の人はこのアマンダレのお汁が大好きで、秋の話題になります。しかし、このナラタケも数種類が分類されていて、そう簡単な種ではないのです。本菌はヤワナラタケという名がついているのではないかと思いますが、比較的小型の赤みが強い種です。県内には4種ほどが見られると菌を研究しておられるN先生から教わりました。標準型のナラタケ以外に大型のオニナラタケ、黄色みが強いキナラタケなど。全国には10種程区分されているそうです。しかし、それらをまとめた書籍や図鑑などがないのが私にとっては残念でなりません。諸先生方に奮起していただいて最近の所見を入れた日本の菌の全体像を明らかにした書籍や図鑑を作ってほしいと望むばかりです。

ホウロクタケ

2013年11月07日 | きのこ・菌類
切株や倒木に普通にみられる菌です。半円形の硬質菌はまとめて「サルノコシカケ」になってしまいます。みんなそれぞれ名前があるのですが、私もあまりに種類が多いので「・・の仲間」ということで納得してしまうことが多いですね。それでも一つ一つ見極めをしてあげないと失礼だろうと思い覚えるようには心がけています。ホウロクタケ、何が特徴かというと、固い、白色系、裏面は穴、上部には小さな小山が不規則に存在・・・。食べられるわけでもありませんし、何かに利用できる菌ではなさそうです。

ニクウチワタケ

2013年11月07日 | きのこ・菌類
これも「サルノコシカケノ仲間」で済まされそうな種ですが、ニクウチワタケ。色鮮やかな点で印象深いものがあります。幾分弾力のある肉質の感じが名前にも反映されています。色の赤さも重要な要素。裏面は乱れた襞があったり小さな管孔であったりします。木材腐朽菌で普通に存在します。

ヒナツチガキ

2013年11月06日 | 自然観察日記
ツチグリの仲間にツチガキと名が付く種があり、これはヒナツチガキといいます。菌の様子から「栗」より「柿」の方があっているようですから一般名はツチガキのほうがよさそうです。キツネノチャブクロなどの腹菌類の一種で中央の穴から雨粒などが当たると胞子が舞い上がります。小さな色白の菌で比較的湿った雑木の混じった杉林などの林床に見られます。