森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ヤマホタルブクロ

2014年10月22日 | 自然観察日記
花の色が紫花系統と白花系統の中間のようなヤマホタルブクロでした。しらびそ平には多くのホタルブクロが見られたのですが純白の花の系統はなく、どれもこういう感じの花でした。地域の変異種と考えています。

シラビソ平の針葉樹比較①

2014年10月21日 | 自然観察日記
シラビソ平ですからシラビソが多いという思いがあるものの立ち寄った場所はそれほどシラビソが見当たりませんでした。針葉樹が何種類かあって紛らわしい状態です。とりあえず周辺で採集した枝を並べてみました。表側です。種名がはっきりしないものがあり持ち帰っての調べになりました。(左から コメツガ、シラビソ、イラモミ、トウヒ と判断)

イラモミの果実

2014年10月21日 | 自然観察日記
この種が何かわからず現場では整理ができません。果実がありましたのでこれを手掛かりに調べてみたところイラモミにたどりついた次第です。この種以外に、ウラジロモミが見られましたがモミは高所では見られませんでした。ただし、下栗の里近辺で目撃しました。

トウヒ

2014年10月21日 | 自然観察日記
イラモミによく似たトウヒで果実の違いで区別できるようです。葉の形態や質感でも差はあります。
針葉樹は種類数は少ないのですが、現物を見る機会が少ないのと高木であり花や果実などが簡単に手に入りにくいため手掛かりが少ないのが難しくする理由でしょうか。地域的な個体差があるものですが、別種と扱うのか同種と考えるのか扱いが難しいものです。たとえばトウヒとエゾマツは同種とする考えもあるとか。ともかく実物を見ながら悩まないと血肉にはなりませんね。

タニソバ

2014年10月20日 | 自然観察日記
御池山のクレーターを解説する掲示板がある簡易駐車場。砕石がごろごろとしている平坦な広い場所で、その周囲はフジアザミなど草が生し始めています。そんな中にタニソバがみられました。遮るものがない日当たりのいい場所でタニソバが好きそうな場所ではないのですが、ここは海抜2000mを超す高所で絶えず霧や雨水があるのでしょうか土は湿り気を持っていて湿気も十分なのでしょうまずまずの生育をしています。ただし、紫外線が強いのか葉や茎は色素を多く持ち半日陰の沢筋で見かける個体に比べて赤味が強い個体です。

タニソバの花

2014年10月20日 | 自然観察日記
タニソバは全国の湿った山地に自生する種で、特に珍しいものではありませんが、かなりの高所にあることと開けた場所に生育しているのが興味深いところです。ミゾソバとよく似ているのですが花や葉は小型で葉には翼があります。

ケハギ

2014年10月19日 | 自然観察日記
ハギの花が大きくきれいに感じました。新潟の山野で普通に見かけるヤマハギとは明らかに違います。持ち帰って調べてケハギと判断しました。大株になりうっそうとしているものには出会いませんでしたが、大株になれば見事な景観になるのではないかと思います。ハギの中ではミヤギノハギが有名ですがお互いに変種か亜種の関係だそうです。葉が丸いケハギに対してミヤギノハギは細長い葉をしていことになっているのですが、案外混乱している可能性があると思います。

ケハギの葉

2014年10月19日 | 自然観察日記
葉が丸いといってもまん丸でなく、丸みを帯びているという程度です。葉の表裏に伏せた毛が目立つことからケハギと名付けられたようです。雨の中この毛で水をはじく様子が観察されました。

タカネママコナ

2014年10月18日 | 自然観察日記
新潟県にはありませんが大体本州中部の亜高山帯に生育されているとされるタカネママコナ。この種を観たのは実に久しぶりで、いつどこで観たのか思い出せないほどです。ママコナの仲間の花はピンク色をしているものが多いのですが、この種は薄黄色です。同じ方向に咲いていることも多く花の姿が口を開けた小魚が群れているように見えてしまいます。一見キバナアキギリに似ている花ですがゴマノハグサ科の種です。概してこういう形状の花はマルハナバチを誘っているものと考えてもよいのではないでしょうか。

タカネママコナの花

2014年10月18日 | 自然観察日記
ママコナの仲間は半寄生という性質があるそうです。この種もその性質を受け継いでいるはずですが、何に寄生しているのか不明です。乾燥しやすい尾根筋によく見られるグループですが、この個体も道路わきの日当たりがよさそうな崖に見られました。

ミヤマニガイチゴの実

2014年10月17日 | 自然観察日記
見覚えのあるキイチゴの実が道路わきに見えました。新潟の山地でも見られるミヤマニガイチゴです。ブナ帯の林縁に生育する日本特産種。本州中部を中心に生育しているとされ、新潟もその圏内にはいるということでしょう。しらびそ平の山域にも同種が自生していることを確認しなんとなく近しい気分。今年は栂池や志賀高原などでも観察してきました。そういう感覚ではどこにでもある種のようなのですが、この範囲を外すともう見られないというわけですからこの種の進化や分布の拡大の歴史に大いに興味をそそられます。個人的にはフォッサマグナとの関係があるのだろうと想像をたくましくしているのですが・・・。

ミヤマニガイチゴの葉裏

2014年10月17日 | 自然観察日記
西日本低山に生育するニガイチゴやミヤマニガイチゴの葉の裏は白いのは承知していますが、「こんなに白かったかなぁ?」と思うるほどのきれいな銀白色。南信州の地域的な特徴なのか、認識を新たにしました。

コゴメウツギ

2014年10月16日 | 自然観察日記
日本海側の種と共通する種もあります。コゴメウツギもそのうちの一つです。日当たりのよい林の縁や林内に生育する枝分かれの多い灌木で、白い小さな花がたくさん付きます。たくさん咲くのですがあまり目立たない花です。もう花の季節は終わっていますからそのあとの小さな実が認められました。