実の先の方は角ばっているものの全体的には丸い果実です。カクミノスノキ(ウスノキ)は果実の下部まで角ばっています。それに果実も大きいですね。ヒメウスノキも食べられるということですが口にしたことがありません。ヒメウスノキは亜高山帯にウスノキは低山帯に分布の中心があるというところでしょうか。
散策路脇に生育しているのはカノツメソウです。道中各所で見かけましたからこの地域には個体数が多いようです。草丈70~80cm位の個体もありました。多くはそれほど大きくはなく40~50以内でしょうか。花の季節ではありませんから線香花火のような花は見られません。変わって小さな果実が花火上に実っていました。
別名ダケゼリというのだそうです。やや山地性の種なのでしょう。新潟県内では見かけていません。葉の先が鋭くとがっている複葉。大きな特徴です。この種の名前の由来は根茎にあるようなのですが、そこまでは確認できていません。
シロバナハナタデといったほうが正確なのでしょう。樹林帯の中は薄暗くあまり群生している草本がないのですが、沢を渡る当たりは高木も切れて林床まで光が差し込むためにさまざまな草本類の生育場所になっています。そのうちの一つがシロバナハナタデの群落。ハナタデと認識したのは初めてで、全国的に分布するとされ、どこににでもありそうなのですが少なくとも私の住む長岡近辺では確認できていません。
どこかで見たような?それでいてはっきりしない植物が散策道脇の岩場に生育しています。キンポウゲ科の種であることは間違いないのですが、過去に自然界では見ていない種。昨年上三依の植物園で観察しているレンゲショウマと推測したものの決め手にかけます。
花のない季節ですから、せめて果実でもと周辺にまだ個体はないかと探した結果一個体だけ果実をつけているものが見つかりました。この果実でレンゲショウマと確信した次第です。自然界で初めてレンゲショウマに出会えたという喜びがあったものの、これが花の季節ならどんなに感激しただろうとちょっと残念な気持ちも。周囲には数株が自生していましたが決して多くはなく、栄養状態もいいとはいえない様子。かなりうす暗い環境で、おまけに岩場。土壌の環境も良くないようです。しかし、もう少しよい環境にきっと自生していてくれるものと考えこの場を離れました。ここに来れば自生のレンゲショウマに会えるという私の秘密の場所が一つ増えたということにしておきます。
見慣れないコウモリソウ属の種が出現しました。持ち帰って調べてウスゲタマブキと考えていますが、タマブキという変種があって分布的にはこちらなのかもしれませんが、観察が中途半端であったため決め手になる形質を見過ごしています。したがって、正確には分からないのですがタマブキの写真が見当たらないのでウスゲタマブキにしておきます。こちらの方が標準的な種のようです。
個体の大きさは50cm程度。その大きさに比べ頭状花の数は多く鈴なり状態。一つ一つの頭状花は開花中ですがすべて管状花。黄色い花弁が見えます。古くなると白っぽくなるようです。
関東地方以西に生育する種とのこ、須坂あたりにはこういう新潟では見られない種が結構住んでいるようで興味尽きない場所になりました。
関東地方以西に生育する種とのこ、須坂あたりにはこういう新潟では見られない種が結構住んでいるようで興味尽きない場所になりました。
40cm程度のコウモリソウ属の花に出会いました。独特な先の尖った葉。明らかにコウモリソウの形質ですが、夏前に尾瀬で観て散々悩んでコウモリソウと判断した個体と印象少々異なります。結論はこれもコウモリソウで、むしろ典型的な種と判断しました。小規模ながら群生していて、木道などはなく観察するには好都合な場所。正直言ってコウモリソウを手にとってしみじみ観るのは今回が初めて。いい時間を持つことができました。
頭状花はしぼみ花とはもう言えない状況です。終わった後の種子が成熟してくるのを待っているという段階でしょうか。コウモリソウの花がどのようなものなのかを類推するのに参考になる絵として載せました。頭状花の個数はそれほど多くはありません。