森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ミヤマキンポウゲの花

2015年10月09日 | 自然観察日記
里山のキンポウゲの高山種という位置づけなのでしょうか。しかし、この種の方が圧倒的に花は大きめですからあでやかで見ごたえがします。がく片の光沢も魅力的です。この花が群れて咲く様はやはり高山に来た!という実感を味合わせてくれるものなのですが、残念ながら今回はお預けでした。

ミヤマキンポウゲの葉

2015年10月09日 | 自然観察日記
昨年、月山に行ったときは弥陀ヶ原から山頂付近まで、特別大きな群落はなかったものの随所で花を見かけました。勝手な推測ですが、秋田県ではかなり少ないという話もありますから、東北では北へ行くに従いこの種は減少し、蔵王山塊もその一端ではないかと思っています。

ナンブタカネアザミ

2015年10月08日 | 自然観察日記
このアザミはロープウェイ降車場に展示してあった写真で知り、実物を観たものです。名前がナンブアザミという言葉がありますが、それとはあまり似ていなくて系統的には少し異なるアザミのようです。枝分かれが多くすっきりしない形状で、ナンブアザミのすっきり感は私には感じられません。

ナンブタカネアザミの花

2015年10月08日 | 自然観察日記
苞の鱗片葉はとても目立ち長い形質です。ナンブアザミの小さな鱗片葉とはかなり異質です。東北の高山に生育するアザミなのだそうです。種類の大変多いアザミ、今後とも苦戦するのだろうと思いますが今回は一つ新しいアザミを勉強したということにします。

オニアザミの花

2015年10月07日 | 自然観察日記
アザミの仲間は大変難しくときどき自信を無くすることがあるのですが、このアザミはオニアザミとして教えられたもの。山地の比較的開けたところにみられ、結構高山の稜線でもみられるもの。名前からして棘の鋭いやや大型のアザミです。しかし、花は点灯していてなかなか美しいものです。蔵王の稜線で観たものはそれほど大きい個体ではありませんが、いろいろな特徴からオニアザミです。

ヒナザクラの葉

2015年10月06日 | 自然観察日記
この葉はヒナザクラ。昨年月山でたくさんの花を見て感激したのですが、今回の蔵王は花はなくすでに咲き終わったものばかりで、そぼ降る雨の中にその名残が揺れています。小さい種ですから気を付けないと見逃してしまいますが、ムシトリスミレがへばりついていた脇にはヒナザクラの葉もたくさんあって、花の時期はそれなりに賑わっていたのだろうと想像するばかりです。

ヒナザクラの実

2015年10月06日 | 自然観察日記
性能のいまいちのカメラですからこういう細かなものをうまくとるのは至難の業。なんとなく雰囲気が分かれ良しとしておきます。悪しからず。しかし、こういう姿を記録しておくと花がない季節でもそれと分かりますから、格段に周りが見える状態になります。花の季節ばかりでなく、実や芽生え、枯れる時などもそれぞれの個性があります。新たな発見が付いて回るのですが、すべての段階を理解しようという心掛けで自然の中で遊んでいます。

ミヤマシャジン

2015年10月05日 | 自然観察日記
ミヤマシャジンの花が咲き始めたばかりで、沢山生育していたもののほとんどが固いつぼみ。なんとか花が咲いている株に出会い写真を撮りました。花の盛りはかなりのボリュウムなのではと思いながら、タイミングの悪さを恨んだものです。もっとも、この日は天候が悪くて輪をかけての運のなさ。普段の行いなのでしょうか・・。それはそうと、ほとんど同じ種にヒメシャジンという種がありますが、蔵王連山のものはミヤマシャジンのようです。ガクなどの形質の差で区別します。

ウダイカンバの幹

2015年10月05日 | 自然観察日記
ウダイカンバの別名はマカバ。材としては優れたものだそうで高額で取引されるとのこと。樹肌はダケカンバのように赤くなくシラカバのように白くない濁った感じの肌です。

ミヤマシャジンの花 側面

2015年10月05日 | 自然観察日記
キキョウ科の仲間の釣り鐘型をしたグループの花。均整の取れた美しい花をしています。もちろん花は雨対策でうつむき加減。大きくラッパ型になっているのはマルハナバチなどやや大型なハナバチなどに対応した形質と考えています。がくは全縁です。

マルバシモツケ

2015年10月04日 | 自然観察日記
マルバシモツケは東北以北の高山帯に見られるバラ科の低木です。先に福島県の浄土平に行った際、遊歩道脇にたくさん見られましたが、同じ種が蔵王の稜線上にも生育しています。北アルプスの八方尾根にも行きましたが、ここでは似た種で葉の細長いイワシモツケが見られました。同じような環境にシモツケノ仲間が生育してはいるものの隔離され長い年月が経つとそれぞれ違った種になるという事例なのでしょうか。興味深い事実です。

マルバシモツケの花

2015年10月04日 | 自然観察日記
訪れたタイミングは花がちょうど終わった季節。それでも、遅い個体もあってなんとか花を見ることができました。シモツケ類の花は公園や庭木などで身近に見慣れているので新鮮な感じが無くなってしまったかわいそうな花。それでも、高山で咲く花はどことなく気品があり愛おしい感じがします。

ネバリノギラン

2015年10月03日 | 自然観察日記
低山の里山などにはノギランという似た種がありますが、本種は触るとねばねばした感触があるネバリノギランです。比較的低山にも見ることができるので生育する範囲は広い感じです。蔵王連山の稜線上に見られましたが、低地にあるものは比較的湿地に近いところで自生している気がします。もっともこの生育している場所は稜線といえど霧や雲がかかり水分条件は多い方で湿地に近い環境といえる気がします。