森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

キンコウカ

2017年10月15日 | 自然観察日記
斜面は変わりますが、傾斜の幾分緩い場所はより湿原に近い状態になっているようでキンコウカがたくさん見られました。少しピークを越したとはいえ花の季節で多くの花を見せてくれていました。今まではユリ科として扱ってきましたが、今ではキンコウカ科として独立しました。まだ、新分類にはあまり馴染んでいませんから古い考え方がいまだに出てきます。有毒植物です。

キンコウカの花

2017年10月15日 | 自然観察日記
3数性の花。花序の下から咲いていきます。亜高山から高山帯の湿った場所によく見られます。また、山地帯でも渓流沿いの岩場であっても絶えず水が供給されるようなところでしばしば見かけます。

キンコウカの大草原

2017年10月15日 | 自然観察日記
ガスがかかっていてぼんやりとした景観でしたが、果てしなく続くキンコウカの草原に感嘆しました。ここはまだ花のピークではなさそうですから、満開の頃の景観は見事なものでしょう。

ワタスゲと共存するキンコウカ

2017年10月15日 | 自然観察日記
こちらの湿地は終わりかけたワタスゲが見られます。盛期はもっとワタスゲが存在したでしょうから白一色の景観。それから黄色一色の景観に変わることになります。今はちょうど過渡期というところでしょうか。平標山の雄大な自然景観です。

コシジシモツケ

2017年10月14日 | 自然観察日記
平標山の松出山ルートの主役はコシジシモツケかもしれません。小さいながらもたくさんの花を集めてあでやかな色彩で迎えてくれました。里山にもたくさんある種ですが高山で見るとまた趣が違います。低山では強い光は苦手で林の縁の湿った場所に好んで生育しています。ここでは日差しが注ぐ草原の主役になって広範囲に生育していました。

コシジシモツケの葉

2017年10月14日 | 自然観察日記
近縁種にシモツケソウがあります。新潟県にはないことになっていますが、その区別は一般には葉の測小葉の多さで見るのですが、この株はなぜか測小葉が多数ありしっかりしています。コシジシモツケにはこういうタイプもあるということです。托葉の様子などでコシジシモツケになります。

コシジシモツケの葉 測小葉がないタイプ

2017年10月14日 | 自然観察日記
多くのコシジシモツケは測小葉を小さいながらもいくつか持ちますが、この株のように全くないものもみられます。園芸種とされるキョウガノコは測小葉が全くないそうですから、コシジシモツケの血が色濃く入っているのでしょう。

オタカラコウ

2017年10月13日 | 自然観察日記
キオンと同じような黄色い花を咲かせている背の高い草本が草原の一角に出ている場所がありました。オタカラコウです。数は見える範囲では多く無くちょっとしたアクセントを添えています。どちらかと言えば湿った場所を好む種です。水気の好きなコシジシモツケも多数ありますから、このお花畑は雪消えが遅く湿潤な状態が長く続くのでしょうか。

オタカラコウの花

2017年10月13日 | 自然観察日記
栂池や尾瀬の湿原周りで大きな群落を見てきました。平標山ではこのお花畑以外では気づきませんでした。ササ原が広い面積を占めている場所で、湿原もあるのですがキンコウカやワタスゲなどが見られる程度ですからあまり土壌が発達していない所なのかという印象です。

オタカラコウの葉

2017年10月13日 | 自然観察日記
根生葉が数枚ありますがササ原の中の株はその様子が確認できませんでした。登山道わきの小さな個体の根生葉です。いわゆる腎心形をした葉で長さ20~40㎝、幅20~30㎝ほど。葉の先端が小さく尖ります。

キオン

2017年10月12日 | 自然観察日記
山頂のつながる尾根筋の一角の南西斜面にこのルートでは最大の草付きがあります。いわゆるお花畑になり短い夏の間次々にいろいろな花が咲いては散っていきます。私が登った初回はキオンが目立ちました。かなり豪壮な感じのするキオンでジョウシュウキオンという名前も付けられているのだそうです。気温は里山から高山帯まで広く分布する種として知られていますが、各地の個体はかなり個性があるようです。平標山の高山帯に生育している種はどっしりタイプの個体と理解したほうが良いようです。