高山植物の一種ですが北アルプスなどでは礫地などのやや荒原的な場所に生育している印象が強いのですが、平標山のミヤマアズマギクは草藪の中。それでも登山道わきの荒地に好んで見られるようではあるのですが、雰囲気の違う環境に生育していました。色彩も白色に近く桃色の個体は見られません。
尾根をたどるとそれほど遠くない場所には谷川岳、少し離れて至仏岳や朝日岳があります。この山塊にはミヤマアズマギクと近縁のジョウシュウアズマギくという種が生育しているといわれますが、平標山の種はジョウシュウアズマギではないのか?と思い調べましたが、葉の形が線形でなく広卵形をしていますからミヤマアズマギクということになるようです。
種々の草が茂る中にコイチヨウランを見つけました。小さなラン科植物で花も目立たず見過ごしてしまいそうな存在なのですが、幸運にも私の眼に入ってきてくれました。むしろ珍しい貴重な種ですから小躍りして幸運に感謝です。亜高山帯の針葉樹の森の林床によく見つかるとされる種です。なぜ、この平標山の頂上直下の登山道脇の草むらに見られるのか?ササ腹が広がり低木がところどころ生育しているという場所。針葉樹林帯とは似ても似つかない環境です。
イチヨウランは「一葉蘭」。葉が一枚の種です。しゃがみ込んでほかの草をよけながら周囲を調べると、狭い範囲ではありますが、案外たくさんの個体がいることに驚きました。すべての個体が花茎を伸ばしているわけではないので花が沢山見られるわけではないのですが、葉がびっしりと地面を覆ている場所もあり、かなり高密度で生育していました。
葉の色はやや紫色がかっていて、図説などで紹介されている緑色の葉ではありません。針葉樹林帯に生活する個体群とは異なる形質を持っているようです。
葉の色はやや紫色がかっていて、図説などで紹介されている緑色の葉ではありません。針葉樹林帯に生活する個体群とは異なる形質を持っているようです。
1年草。花は上唇と下唇に分かれ、それぞれが2烈、3裂しています。下唇はベロを出しているような形。真ん中に黄色い斑紋があります。今はハマウツボ科に分類されている半寄生植物です。葉はあまりきれこまず他種に比べほっそりとしています。
亜高山から高山帯に生育するいわゆる高山植物の代表的な花の一つ。ハクサンフウロを見ると高い山に来たと実感します。お花畑に点在して咲いているのですが、なんとなく寂しい状態。もっとかたまって沢山咲いていてほしいのですが平標山では少数派のようです。