森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ヒトツボクロの葉

2021年06月23日 | 自然観察日記

ヒトツボクロの名前の由来を気にする人は多いと思いますが、残念ながらわからないのだそうです。この種は春に一枚の葉を出して5月下旬ころに花を咲かせるという習性があります。かなり結実は良さそうで花は大体果実を結びます。全国的に自生しといる種のようですが分布は限定的です。発芽に関係するといわれるラン菌などの影響もあるのでしょうか。


ヒトツボクロの葉裏

2021年06月23日 | 自然観察日記

一番の特徴は葉裏にあるかもしれません。見事な紫色をしています。これを見たら忘れることができないでしょう。しかし、葉裏が紫色の種はスミレ類を中心にいくつかあります。なぜ紫色が良いのでしょうか。興味深い謎です。


ヒメカイウ

2021年06月22日 | 自然観察日記

ショウブと同じ湿地にヒメカイウが見られました。野生状態では初めて見る種で少々感激。新潟県内の情報を持っていませんから自生はあると思いますが、極めて少なく貴重な種だろうと思います。


ヒメカイウの花

2021年06月22日 | 自然観察日記

サトイモ科の種でミズバショウを小型化したようなものです。ただ、根茎はミズバショウのように泥の中に深く根を張っているようではなく、水中に浮いているような生態をしています。茎を伸ばして増える性質があるのかちぎれた茎の破片が見られました。


ショウブ

2021年06月21日 | 自然観察日記

小さな水たまりというか池がありました。意図的に作ったというより自然にできた湿地のようです。いくつかの水草が見られましたが、ショウブの群落ができていて花も見られました。ショウブは浅い水中にしばしば群落を作りますが、野生でこれを見ることはほとんどできなくなりました。


ショウブの花穂

2021年06月21日 | 自然観察日記

花は小さなものでこれがたくさん集まったこん棒状の花穂になっています。「ショウブ」というと「ハナショウブ」を連想する人が多く、しょうぶ湯に浸かったことがない人が増えたためでしょうか。独特の香りがするショウブは端午の節句にお風呂に入れ入浴するという習わしが日本にはあり男の子の成長を祈るものでした。薬効もあるようで漢方の一つになっています。

 


ショウブの葉

2021年06月21日 | 自然観察日記

長く平べったい葉は似たものが多く区別が難しいものです。ノハナショウブは葉がショウブに似ていることからつけられた名前です。香りがなければ判別は難しいかもしれません。


オオタヌキラン

2021年06月20日 | 自然観察日記

海岸から奥山まで日本海側の湿った崖などにはよく見られる大型のカヤツリグサです。よく生育しているものは1m以上になります。人によってはタヌキランと区別せず個体変異の範囲と考えている向きもあるようです。私は分類の詳細は不勉強で分かりませんが、タヌキランより大型で日本海側に分布するものという理解で使用しています。


オオタヌキランの花穂

2021年06月20日 | 自然観察日記

先端の花穂は雄性でその下の雌性の花穂は大きく2~3個付いています。この花軸は長く時には1ⅿくらいになります。長岡付近の人は昔から笹団子などを作る風習がありますが、これを作るときのひもにスゲ紐の代わりにこれを利用するのだと聞いたことがあります。確かに長く丈夫ですから十分に代用できると思いました。


オオタンキランの葉

2021年06月20日 | 自然観察日記

調べてみると、コタヌキランという種がありました。この種はブナ帯以上の高山帯などに見られるもののようです。区別は大きい小さいではなく、果穂の雌小穂が有柄か否かという点ですからかなり差異があります。タヌキランとオオタヌキランはあまり区別する必要がない種のように思えてきました。


コウライテンナンショウ

2021年06月19日 | 自然観察日記

少し山際に移動して小沢が流れるあたりの草地に行きました。コウライテンナンショウがたくさん見られ、それも仏炎苞が緑色と暗紫色のタイプのものが混在しているのが興味深く感じました。だいたいどちらかのものがまとまって生えているのですが、ここはざっくり半々くらいの個体が見られました。