マムシグサともいわれるコウライテンナンショウですが、この花を見ると気持ち悪いと感じる方が多いようです。人の感じ方ですから仕方ありませんが、忌み嫌わずじっくりと観てほしい種です。いろいろと不思議なことが沢山あって嵌る人もいるくらいです。
緑色をしたタイプも同じ種と考えられています。緑色のタイプはあまりマムシグサといわれ嫌われることは少ないのでしょうか?両タイプは遺伝的に発生することと思いますが中間的な形質はこのエリアでは感じられませんから形質によって優劣がはっきりしているのではと推測してみました。果たしてどういう遺伝現象と理解すればよいのでしょうか。
コウライテンナンショウは変異の多い種とされます。小葉は5枚ほどから10数枚が鳥趾状についていました。栄養状態の良い個体ほど多くなります。このグループは性転換する種としても有名で、栄養状態が悪いのは雄的に良い個体は雌的に作用するため小葉の多さで雄雌が見当をつけることができます。
明るい草原にオキナグサが見られました。純粋な野生種なら大いに感激するのですが、おそらく以前この当たりに植栽された物が逸出して生き延びているという風情です。もちろん自生種がいても不思議ではない場所ですが、かつてここに栄村の植物を集めようとされた方がいるものですからいくら荒れていてもそういうものが残存している可能性は排除できません。しかし、オキナグサが生活するにはそれほど問題があるわけではありません。しいて言えば、時々は人の手が入りこの草原を維持できるようになっていてほしいと思うのです。遷移が進み森林化するとオキナグサは生活できなくなることでしょう。
オキナグサはかなり地味な花だと思うのですが意外に山野草としては人気です。生育環境が激変しているため各地で絶滅危惧種になっていますから、そういう意味でも人気が高いのでしょう。すでに往時の暗赤色の色彩は少なくなっていますが毛の多い風変わりな花の特徴は残っています。花弁に見えるのはがくになります。
枝折れたシロヤナギに雌花、正確には花の時期は終わってめしべは肥大し始めている状態に見えます。あまり毛深くないのが印象的でした。ヤナギですから雌雄異株の植物です。近くで雄花を見つけることはできませんでした。