山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

『謎の豪族 蘇我氏』を読む

2014-11-26 21:30:23 | 読書
 大和朝廷の屋台骨を構築してきた蘇我氏が簡単に滅亡した謎が知りたかった。
 要は蘇我氏優位の皇位継承に危機を感じた中大兄皇子らのクーデターだ。
 それを正当化するために逆賊蘇我氏のレッテルキャンペーンを成功させてきた。

 つい、勝ち組の歴史観にわれわれはいまだ洗脳されがちだ。
 松本清張は蘇我氏の先見的な改革を天智天皇らが横取りしたこと、蘇我一族の肥大化は天皇との血縁関係や絶対権力をもたらしそれに蘇我氏らが頼り過ぎたことによるとの見解を作者は支持している。

 改革者蘇我氏を守旧派が武力で制圧できたのは、蘇我氏の軍事力が脆弱だったことを作者は指摘している。
 ついでに、権力闘争から殲滅された物部氏のその後も知りたくなった。
            (水谷千秋『謎の豪族 蘇我氏』文芸春秋 2006年3月)
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