ムシトリナデシコの群落に黒いアゲハが乱舞していた。その多くが白っぽい模様があったので、「モンキアゲハ」だとわかった。漢字だと「紋黄揚羽」となり、紋が黄色ということだがふつうは白っぽく見える。だんだんとそれが黄色くなるそうだ。体の黒い側面には白い筋模様がかっこいい。
その中に、数頭白い紋がない黒いアゲハがいた。オナガアゲハのようにも見えたがスマートではない。むしろカラスアゲハに似ているがメタリックなところが確認できなかった。ふだんだとなかなか撮影できないアゲハ軍団だが食事中は警戒を緩めてしまうらしい。
このムシトリナデシコが大量にある群落の場所は近くの一人暮らしのお婆ちゃんの畑だった。野菜畑がお婆ちゃんが好きな花畑になっていたが、最近は認知症気味となってしまって畑をやらなくなった。すると、ムシトリナデシコやヤナギハナガサなどの外来種が侵入。結果的には耕作放棄地というより、花も昆虫もこの居場所が貴重になったことを歓迎している。
地域の周りのひとはあたたかくお婆ちゃんのフォローをしているのが素晴らしいが、数日前、お婆ちゃんが施設に入ったらしいという情報も聞いた。そういえば最近、犬の散歩をにこにこしながら歩いている姿は見かけない。和宮様によれば、散歩で出会っても誰であるかを忘れているような会話しかできなくなっていたという。