うだる暑さの午前中に、茶畑の外側の草刈りを行う。そして午後、道路際を見たらスズメくらいの大きさの「カワラヒワ」(アトリ科)が刈り取られた草の実を食べに来ていた。
距離があったので手持ちのキャノンの安いデジカメでは鮮明な画像を捕捉できない。それでもなんとか、かわいい様子は伝わってくる。カワラヒワがときどき飛びだす場面に出くわすことがあったが、なかなかカメラに収める機会はなかったのでそれはうれしい。
「ひわ」とは、「小さくてひよわい可愛らしい」という意味がある。和服の「ひわ色」はこういう黄緑色のことをさすらしい。ウグイス色とは微妙に違う。草の実をついばむ平和なひわ軍団の風景に一茶のように心が和む。
そういえば、三日前に保存しておいた電線に止まっていた三羽の小鳥はこのひわ軍団だったのかもしれない。集団見合いするという「かわらひわ」も、力の強い者から順次つがいができていくそうで、ひ弱そうなカワラヒワもなかなかしぶとい生命力がある。
電線にいたこの小鳥の正体がわからなかったが、これでわかったような気がする。プロが撮影した鮮明な画像には頭が下がる。それと同じカメラにするには十数万円かけなければならないが、年金生活者にはそれは無理な話というもんだ。
名前を同定するには想像力を働かすしかないが、この杉林に独占されたような地域にさえも、野鳥の声が意外にもに多いことがわかってきた。つまり、野鳥そのものを目撃することはむずかしいが、周りの林や畑にやってくる野鳥の多様性がなんとかあるということだ。しかし、鳴き声で名前を捕捉するのはなかなか複雑でむずかしい。硬直したわが「海馬」の中で鳴き声を振り分けていくのは至難の業だった。カワラヒワの鳴き声のパターンはいまだつかめない。人生短いが、ボチボチ確認していくしかない。