先月でのこと、和宮様が国道脇の空き地に咲いていた「ウツボグサ」を発見した。むかしは道端で普通に咲いていたという。オイラは山歩きしたとき出会った「ウツボグサ」はその紫のパワーに感嘆したものだった。それは「ミヤマウツボグサ」らしかったが。西洋では「セルフヒール」と呼んで自然治癒の薬草・ハーブとして親しまれていたという。
与謝野晶子は「なつかしき 春の形見か うつぼ草 夏の花かや 紫にして」と詠んでいる。初夏に咲いたウツボグサが秋を待たないで夏のうちに枯れたようになるので、別名「夏枯草(カゴソウ)」の名がある。この花穂を乾燥させたものが生薬として、口内炎や利尿に効くと愛用されてきた。そんな身近にあったウツボグサが珍しくなってきたことを考えると、晶子の「春の形見か」という哀愁・詠嘆がダブってしまった。