ミスト
2007年/アメリカ
‘狂信’について
総合 90点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
このような言い方はおかしいのではあるが、久しぶりに恐怖を感じたホラー映画だった。それは勿論作品内に出てくる霧の中の生物のことではない。それぞれの生物は他の映画で見たことがあるようなものばかりだった。本当の恐怖は一人一人の人間の心の内に必ず宿る‘信じ込む’習慣である。
密室と化したスーパーで恐怖に追い詰められていく人々は救いを求めてカーモディが口にする旧約聖書の言葉にすがりつくようになり、平時であれば‘セサミストリート’レベルの話を本気にして生贄をでっち上げるようになる。
そのカーモディの話の危険性をいち早く見抜いたのが主人公であるデヴィッド・ドレイトンである。しかし残念ながらそのデヴィッドはラストで自分たちは助からないと諦念してしまい‘過ち’を犯してしまう。つまり‘狂信’の危険性を熟知していたデヴィッドでさえカーモディと同様に‘狂信’から抜け出せなかったということである。怖いでしょう?
しかしオチが読めてしまった。あれ以外に考えられない。
準備は万端だったと思うが、この数字は微妙な感じがする。制作者サイドとしては
30%台には持っていきたかったのではないのだろうか? 内容自体は悪くないとは
思うが、リアリティを出すのは大変だと思う。例えば、選挙結果は最初主人公は落選
とテレビで放送されたが誤報で実は当選していたということになるのだが、普通は
選挙の当確は1つのテレビ局ではなく複数のテレビ局を見比べて確かめると思う。
あのような演出は疑問ではあるが、むしろテレビドラマの限界と考えるべきなので
あろう。もう見ないけど。