原題:『Rain Man』
監督:バリー・レヴィンソン
脚本:バリー・モロー/ロナルド・バス
撮影:ジョン・シール
出演:ダスティン・ホフマン/トム・クルーズ/ヴァレリア・ゴリノ/ジェリー・モレン
1988年/アメリカ
『レインマン』と『アナと雪の女王』の比較考察
改めて今本作を観なおしてみる価値があるとするならば、本作のストーリーの骨格が『アナと雪の女王』(クリス・バック/ジェニファー・リー監督 2013年)とそっくりで、姉のエルサの魔法で妹のアナに危害が及ばないように2人が同じ城の中で触れ合わないように育つように、本作において幼い頃にサヴァン症候群のレイモンド・バビットの「特別な才能」で弟のチャーリーに危害が及ばないようにレイモンドが施設に預けられて別れて暮らすことになるからである。ただチャーリーは幼かったために自分に兄がいたことを父親が死ぬまで知らなかったために、レイモンドを財産や驚異の記憶力による「金づる」としか見ていなかったが、自分が幼い頃に歌を歌って心を和ましてくれた「レインマン(Rain Man)」が「レイモンド(Raymond)」であることをレイモンド自身から教えられ、別れる時も「Bye bye Rain Man」と言いながら手を振っていたことも教えられる。
ようやく本当に心を許せる親族を見つけたチャーリーがレイモンドと一緒に暮らしたいという思いは本物だったと思うし、レイモンドがチャーリーを「親友(Main man)」と認めた気持ちも本物だったと思うが、2人はそれぞれの人生を歩むことになる。
同一のストーリーの骨格をベースに、「雪」や「雨」の中、似たような境遇の、「病気」の兄と弟を「実写」で「魔法使い」の姉と妹を「アニメーション」で描き人生の選択も対照的なところも興味深い。