原題:『300: Rise of an Empire』
監督:ノーム・ムーロ
脚本:ザック・スナイダー/カート・ジョンスタッド
撮影:サイモン・ダガン
出演:サリヴァン・ステイプルトン/エヴァ・グリーン/レナ・ヘディ/ハンス・マシソン
2014年/アメリカ
大戦の背後に隠れる女性の怨念について
前作『300 〈スリーハンドレッド〉』(ザック・スナイダー監督 2007年)同様に「暑苦しさ」は相変わらずで、寧ろ増した感じもするのであるが、主人公でギリシャ連合軍率いる将軍テミストクレスと父親のダレイオス1世の後を継いだペルシア王のクセルクセスによるサラミスの海戦の背後には、若い頃に家族を殺されたアルテミシアと、夫のレオニダス1世を殺されたゴルゴ王妃の恨みがバックグラウンドを成しており、それはアルテミシアがテミストクレスに殺された際に女性のモノローグが流れ、その「恨み節」はアルテミシアのものではなく、船で乗りつけてきたゴルゴ王妃のものであり、女性の視点が取り入れられているところが新しいとは思うが、それはエロスを誘発する以上のものではない。