MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ハンガーゲーム FINAL : レボリューション』

2015-12-06 01:32:56 | goo映画レビュー

原題:『The Hunger Games: Mockingjay – Part 2』
監督:フランシス・ローレンス
脚本:ダニー・ストロング/ピーター・クレイグ
撮影:ジョー・ウィレムズ
出演:ジェニファー・ローレンス/ドナルド・サザーランド/ジョシュ・ハッチャ―ソン
2015年/アメリカ

ヒロインが挫折するほど現実的な「ゲーム」について

 ようやく観終わったというのが正直な感想で、途中で『メイズ・ランナー』(ウェス・ボール監督)シリーズとストーリーがこんがらがったりして大変だったが、「ゲーム」のクオリティーは最後まで高かったように思う。
 当初、主人公のカットニス・エバディーンは妹のプリムローズ・エバディーンの代わりにハンガーゲームに参加したはずなのであるが、その蛮勇も土壇場になって水泡に帰すところや、カットニスが率いることになる反乱軍のトップであるアルマ・コイン首相が敵対するコリオラヌス・スノー大統領と少しずつ似てきてしまい、映像による情報操作や復讐を目的とした「新ゲーム」の提案などは、今のアメリカを含めたキリスト教国とイスラムの対立の構造という現実問題が反映されており、その問題を踏まえてのカットニスの行動にも賛否両論あるだろう。
 だからカットニスが最後に子供に語りかける、他人にされた良いことを次々と思い出していくという新しい「ゲーム」が負の連鎖を断ち切る唯一の方法ではあるのだろうが、やはり現実的とは言い難い。


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