原題:『orange - オレンジ -』
監督:橋本光二郎
脚本:金子ありさ
撮影:鍋島淳裕
出演:土屋太鳳/山崎賢人/竜星涼/山崎紘菜/桜田通/清水くるみ/真野恵里菜/森口瑤子
2015年/日本
SF色が薄い「SF作品」について
本作をどこかで見たことがあると思って調べてみたら、『So long !』(2013年)という渡辺麻友主演のテレビドラマだったのだが、過去と未来をつなぐ媒体が手紙とカセットテープという大きな違いがあった。
それはともかく思ったほどSF色が濃くなく、主人公で10年後の26歳の高宮菜穂と須和弘人がそれぞれ過去の自分に送る手紙の送り方が具体的に描かれておらず、授業中に「パラレルワールド」の話をしてしまい、それを「言い訳」として過去が変わっても10年後の世界が変化しないことにつながる。おそらく原作通りではあるのだろうが、最後に映る10年後の菜穂の夫が成瀬翔に代わっていたというオチも映画的で悪くなかったとは思う。しかし私の周囲で観賞していた原作ファンのたくさんの女子中高生たちにはそれでは受けないと判断した結果で、驚きは無いが妥当な演出ではあるのだろう。
それにしても今回初めて土屋太鳳を観たのであるが、その「アニメ声」には驚かされた。わざと声を変えているのかとテレビ出演している土屋を見たのであるが、そのままの喋り方で、演技ではなかったことにまた驚かされた。