原題:『Bridget Jones's Baby』
監督:シャロン・マグワイア
脚本:ヘレン・フィールディング/エマ・トンプソン/ダン・メイザー
撮影:アンドリュー・ダン
出演:レニ―・ゼルウィガー/コリン・ファース/パトリック・デンプシー/エマ・トンプソン
2016年/イギリス・アメリカ・フランス
ブリジット・ジョーンズが「モテる」理由について
そもそも主人公のブリジット・ジョーンズが恋愛をこじらせている原因は、マーク・ダーシーがエリートの国際弁護士で自分の身の丈に合わないとブリジットが絶えず気にしていることと、かと言って、もう一人のダニエル・クリーヴァーは無類の女好きで浮気が絶えず、要するにブリジットは2人の極端な男と付き合う羽目になっているからである。
本作においてもPSY(サイ)の『江南スタイル(Gangnam Style)』の、曲そのものが好きなブリジットと地名にこだわるマークの微妙な関係は相変わらずで、そういうことを踏まえると今回は妊娠することで退路を断ったブリジットの奮闘が見ものになっていると同時に、国際弁護士として有能すぎるが故に仕事に追われて私生活が安定しないマーク・ダーシーなりの苦悩も上手く描かれていると思う。
ところで続編で復活してくるらしいダニエル・クリーヴァーがブリジット・ジョーンズに惹かれたきっかけは、2作目『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月』においてテレビレポーターに転職したダニエルの発言にヒントがあるように思う。ダニエルはジョン・カリン(John Currin)というアメリカ人の画家を高く評価している。
上の作品はジョン・カリンの代表作『ザ・ヴェール(The Veil)』なのであるが、まるで1作目の『ブリジット・ジョーンズの日記』においてダニエルと同じ出版社に勤めていた際、当初はスカートをはいていないみたいだと服装に文句を言ってきたダニエルに「Like your tits in that top(そのような上着の中の君のオッパイが好き)」とメールをさせた、出社してきたブリジット・ジョーンズの姿そのものなのである。